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新会社トータルイノベーションへの異動が決まり、慣れ親しんだ新築部門を離れて不安な気持ちでリフォーム部門へ。

約50名の我々第一波異動グループへの説明会が開催されることになりました。

そこで新会社での配属部署が明らかになる訳ですが、、

ナント!またしても私だけが。。




新会社異動説明会開催!新会社での配属先は!?

今回、新会社へ異動する我々第一波グループへの説明会が開催されました。

私を含めた約50名の東京ブロック所属の異動予定社員が、今後の説明を受けるため会議室に集結しました。

すぐに司会の本社人事部長が説明を始めました。




<人事部長>
「今回はアフターサービス会社から一新されたトータルイノベーションへの第一波で移動する皆様に集まって頂きました。
取り急ぎ異動後の流れや配属先等をお話しさせて頂こうと思います。
これから一枚のプリントを配布します。
こちらに皆様の名前と配属先が記載されています。
まずは自分の配属先を確認してください。」


といってプリントが回ってきました。

すると、、、

 トータルイノベーション株式会社配属先一覧


カスタマーリフォーム一課

長妻 幹夫
笠原 俊介
飯塚 智成
藤田 恵名
近藤 武
米原 美香
大滝 剛一
伊集院 将
  ”
  ~  中略  ~

設計課

佐藤 学
石塚 大成

工事課

井上 隆俊
岡本 健一
上島 和也

新規事業部(詳細未確定)

トラジロウ

~ 以下略 ~

詳細未確定の新規事業部:特販リフォーム課

このプリントを見て私は思わず声をあげてしまいました。


<私、>
「何だコレ?!また俺だけ特殊部署かよ!
そもそも詳細未確定ってどういう事だよ!」


私の声が大きかったので人事部長が話しかけてきました。


<人事部長>
「トラジロウ君。。。違うんだよ。。
カスタマーリフォーム課は従来通り我が社の認定工業化住宅のリフォームを専門にやる訳だけど、、
特販リフォーム課はそれ以外の木造でも鉄骨でも他ハウスメーカーでも何でも出来る部署なんだよ。」


<私、>
「人事部長、、ちょっと待って下さいよっ!
私は当社の認定工業化住宅の設計と施工管理しかやったこと無いんですから、、
それ以外の建物をヤレッって厳しくないですか?!
今までの経験が全く役に立たないじゃないですか?」


<人事部長>
「いやいや、、トラジロウ君、そんなこと言っちゃいかんよ!
トータルイノベーションの技術部が特販リフォーム課は難しいから知識と経験がある人材を欲しいって言うんだよ。
例えば設計とか工事監督などの経験がある社員。
設計と工事監督と両方経験してるトラジロウ君は正に適任だろ!」




私は大変なショックを受けました。




今まで苦労してやっと解ってきた自社の認定工業化住宅以外のリフォームをやれなんて。。


私にとって何のアドバンテージもありません。。


しかも新規事業部の特販リフォーム課への配属は、私と新築営業だった同期の佐藤(仮名)しかいません。。

さらに新規事業部は数か月前に倒産したグループ会社のグッドホーム株式会社残党を集めて構成されていました。いわば、、


めちゃめちゃアウェイな環境の中に突っ込まれる訳です。


彼らは人数も多いし(新築部門籍は私と佐藤だけ。。)新築部門籍の我々に対して敵対意識を持っています。

なのでうまく打ち解けていけるか大変不安です。


でも、、俺らしいよなあ。。

いつもこんな感じで何かズレてんだよなあ。。


、、と考えさせられてしまいました。

特販リフォーム課の大多数を占めるグッドホームの残党たち

またしても今回の異動でおそらく一番難しい部署です。。

被害妄想かもしれませんが、、

私って何かヒキが弱い?感じがしてなりません。。

一方でカスタマーリフォーム課は一番のメイン部署で自社の認定工業化住宅のリフォームだけを受注する部署です。

新築部門時代、私は当然のことながら自社の認定工業化住宅にしか携わっていません。

なので自社住宅であれば勝手も良く分かっていてヤリやすい訳です。

しかも過去に相当数の顧客がいますから営業をしなくても必然的に向こうから依頼が来ます。

新会社での我々の立場はリフォームの営業マンですから


集客が苦労無く用意されている


ことは大きなアドバンテージです。

しかし特販リフォーム課は全くの新規部署です。

今までの弊社顧客を受注出来ないので


集客はゼロからのスタートです


集客方法もこれから模索していかなくてはなりません。。


今後トータルイノベーションへ異動してくる社員の大多数はカスタマーリフォーム課へ行くと思われます。

異動仲間たちで一緒にカタマッテいるほうが何かと安心です。

新規事業部の特販リフォーム課は、


グッドホームという倒産したグループ会社
(一般リフォームの会社)


の元社員を拾ってきて構成されています。

グッドホームの残党たちは取っ付きにくくクセのある人たちが集まっていました。

そもそも我々新築部門はアフターサービスや関連グループ会社の社員からすると、

「新築部門の奴らはナンカ鼻につくんだよな~!ゼッテー負けねー!」

などと、イケイケ系の人たちからは理不尽に敵対視されていることが多々ありました。。

しかも今回は私と新築営業マンだった佐藤の二人だけでの配属なので円満には収まらないだろう、、

と不安と緊張に包まれていました。。

ブラック課長と慇懃無礼な署員たち

それから約2週間後、

トータルイノベーション研修センターでの研修を終えた私と佐藤は、

特販リフォーム課へ初出勤の日を迎えました。


<佐藤>
「なあ、、トラジロウ。。
さっきチョコッと特販リフォーム課をのぞいてきたんだけど、、
続木課長ってクセが強そうだし超トッツキにくい感じで何か嫌なんだけど。。」


<私、>
「マジッ!!何だか先が思いやられるよ。。
一番ハズレの部署であることは間違いないね。。」


<佐藤>
「俺もそう思う。。
他にも何かガラの悪い怖そうなヤツもいたな~。。
そうそう、続木課長って業者と裏でいろいろやってるってブラックなウワサもあるみたいなんだよ。」


<私、>
「ブラックって業者から裏で金貰ったりしてんだろ!
新築でもいたよ、業者に多く発注してキックバックで金貰ってるヤツ。
まあ、、倒産したグッドホームは結構ヤバイ奴が多かったらしいから。。
、、だから倒産しちゃったんだろうけど。。
まあ、、順風満帆にはいかないだろうな。」




そんな話をしながら特販リフォーム課に足を踏み入れました。

するとウワサの続木課長が出て来て、


<続木課長>
「あ~、、新築部門から来た人たちね。
、といっても二人か。。
とりあえずみんな集めて自己紹介してもらうからチョット待ってて。」




といって署員を呼びに行きました。

しばらくすると続木課長が戻ってきて、


<続木課長>
「え~、、今日からウチに配属になったトラジロウさんと佐藤さん。
新築部門でそこそこ長くやってた方々です。
それでは簡単に自己紹介をお願いします。」




、と言ってクールに淡々と話す続木課長と、

表情を一切変えずに我々を見つめる特販リフォーム課の署員たち。

軽くゆっくりと拍手をする彼らの表情は、、

全く無表情です。。

拍手はしていても目は全く笑っていません。

意図的に押し殺したような不自然で異様な雰囲気でした。。


牽制しているのか?敵対視しているのか?


私と佐藤はこの得も言われぬ異様な空気に圧倒され、

早くも今後に大きな不安を抱いていました。




次回>>第12話に続きます!







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