Pocket

こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第113話からの続きです。

渦中の現場監督がやらかしまくってます…。

次々と連鎖するクレームの嵐に翻弄されっぱなしの私。

私が産業廃棄物処分場で必死にゴミをあさっていると、

山形電機から怒りの電話がかかってきました。




現場は完全にパニック状態

<山形電気>
「オイッ!、トラさんよお~!
もう我慢の限界だ!
アイツ、あれほど言っておいたのに!
明日で終わらなかったらそのまま次の現場に行くぞ!
悪いのはすべてあのダメ監督だからな!」


もともと気難しいタイプの山形電気でしたが…

今回はメチャクチャ怒っていました。

私は山形電気に尋ねました。


<私、>
「すみません…山形さん…
どうしたんですか?
吉川監督が何かまずいことでも…。」


<山形電気>
「どうもこうもね~よ!
大工がボード貼っちゃったら電気の配線ができね~から止めとけって言ったのに…。
今日来てみたら大工が全部ボードを貼ってしまってたんだ。」


うわ~…。またやらかした…。

なんで現場管理ちゃんと出来ないかなあ…。

もう面倒みきれね~よ…。


しかし電気工事が終わらない状態で他の現場に抜けられたらたまりません。


<私、>
「山形さん…。すみません。
終わらずに抜けられたら現場は崩壊してしまいます。
なんとか出来ないでしょうか?」


<山形電気>
「そりゃあ俺だって自分が担当した現場を完成させずに抜けるなんて…。
絶対にやりたくね~けどよお~。
だけどこっちだって次の現場があるわけで…。
どうしても終わらせたいならだれか現場によこしてくれ!
手元がほしい!」


しかし今日の今といった状況ですぐに誰かを呼べるわけもなく…。


<私、>
「さすがに今から至急で誰かを呼ぶってのは難しいんで…。」


<山形電気>
「それならこの現場は終わんね~な!
誰かとペアになって配線を中継してもらったりしね~と、
とてもじゃね~けど一人じゃものすごい手間がかかる。」


<私、>
「わかりました。
私が行きます!
私が山形さんの手元になります!」


電話口で山形電気は一瞬言葉が止まりました。

しばらくして、


<山形電気>
「えっ?!、トラさんが来るの?
マジで?、現場作業は大の苦手のトラさんが?」


私は子供のころから手先が超不器用でした。

住宅業界でいろいろやってきましたが作業はほとんどやりません。

それは職人さんの間でも周知されていました。

余談ですが、、

大手ハウスメーカーの現場監督時代、

私は最優秀現場監督賞をはじめ数々の賞を受賞しました。

しかしそれは段取りやコミュニケーション力を駆使してのことでした。

なので当時の私の作業着は他の現場監督にくらべてすごくキレイでした。

その私が自ら山形電気の手元になることを志願したので驚いたわけです。


<私、>
「私は現場作業は苦手ですが今回に関して言えば2人で行うとだいぶ違いますよね?」


<山形電気>
「まあ、たしかにそうだけど…。
でも手元だったらアイツにやらせればいいんじゃね~の?
わざわざトラさん来させるのもちょっと気が引けるけど…。」

老監督から波及した不協和音

<私、>
「いやっ、、いいんです。
彼にこれ以上介入してほしくないんです。
彼が関わるとまた何か新たなる問題が勃発する気がします。
そもそも彼は今日休みですしね。」


<山形電気>
「なっ?!、ナニイっ?!
これだけ迷惑かけといて自分はノウノウと休みとってんのか?
そんなヤツはクビにしろよ!
ふざけんのにもホドがあるだろっ!」


と、また怒り爆発となってしまいましたが…。


<私、>
「いやっ、いいんです…。
吉川監督は高齢で体調も悪いんです。
それに怒っていても何も始まりません。
とにかくこれからそっちへ向かいますね。」


ということで夜7時に現場で山形電気と合流しました。

そこから我々は日付けが変わるまで必死で作業を行いました。

幸いなことに、

この浜口邸の現場は敷地が広くお客様も現場に住んでいません。

なので遅くまで作業ができました。

おかげで何とか山形電気は工事を終えることができました。

次の日、電気工事完了後に


<山形電気>
「いや~、トラさん慣れない現場作業頑張ったなあ…。
おかげで何とか終えることが出来た!
でもアイツはマジで首にしたほうがいいぞ!
みんなヤツに足を引っ張られちゃう。」




それから数日後に営業所会議がありました。

この日も吉川監督は休みをとっていました。

その営業所会議中、

上田営業マンが突然立ち上がり長井所長に、


<上田営業マン>
「吉川監督のことですが、
あの人、マジでヤバいです!
今、自分の現場を担当してるんですが全然使えないです。
むしろ足を引っ張られまくってます!
長井所長!なぜあんな人を雇ったんですか?
もうあの人を自分の現場には入れたくないです!」


と強い口調で言い放ちました。


<長井所長>
「そんなにヒドイのか?
吉川さんって…。
なかなか建築士で現場監督経験者がいなかったんだ。
やっと採用したし会社は現場監督の一斉導入をルール化した。
だから我々が彼を教育してちゃんと出来るように育てるしかないだろ?」


<上田営業マン>
「はあっ?!、何を言ってんですか?
私のオジイちゃんって言ったってわからないくらいの感じだし…。
とにかく今さらあの人を教育したってどうにもならないと思います。」


上田営業マンは当時26歳と若かったのですが、、


正義感が強く理不尽なことにはハッキリと物申すタイプでした。


私ともウマが合うようでして、

過去に彼から貴重な案件を譲ってもらったこともあります。

何かと強引なパワハラ長井所長とも一触即発シーンが過去何度かありました。

今回は私だって死活問題ですし相当追い込まれています。

何より吉川監督の介入によって現場がトラブってしまい、


営業マンの命である歩合給がカット


されたらマジでシャレになりません…。

上田氏の現場で吉川監督が現在介入している現場は請負金額700万円です。

なので約40万円の歩合が無くなる可能性が出てきたため物申しているわけです。




しかし今度は長井所長が突然ブチ切れて、




<長井所長>
オイッ!コラッ!!
テメエッ!自分の好き勝手放題言ってんじゃね~ぞ!
コノヤロー!いい加減にしろよ!!


と、ものすごい圧力で上田氏の目の前に詰め寄りました。


しかし上田氏もプロレスラー並みのイカツイ体格で圧力をかけ返しました。


完全に一触即発の状態に…。


今回は本当にヤバいです。


まさに2人の顔の距離は10センチ未満のところまで迫っています。


いつどちらかが一方をぶん殴ってもおかしくない状態です。


問題の老監督から波及してあらゆるところで不協和音が生じていました。


目の前で傷害事件が勃発したら目も当てられません…。




オイオイっ…。これはマジでヤバいぞ…。




>>次回>>第115話に続きます。

ベンチャー企業奮闘記は毎週月曜日更新です!









Pocket