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前回第⑬話の大型改装工事契約で勢いにのった私は、一気に成績を伸ばし始めていました。

トータルイノベーション東京支社には、私の所属する特販課以外に3つの営業所がありました。

その中で東京第三営業所は「独裁国家」と呼ばれ、誰もが絶対に行きたくない営業所となっていました。


ハウスメーカー

ようやく息を吹き返してきた移籍5カ月目



トータルイノベーション東京支社に移籍して5カ月目に突入しました。


最初の2カ月は一件も契約が取れず完全に八方塞でドン底でした。


しかし前回の大型改装工事の契約をとってからは、一変して一気に調子を上げていきました。






強面の田岡係長と私はなぜか相性がよく、仕事が終わってから一緒に飲みにいったりして楽しく過ごしていました。

そこから発展して当初はトッツキにくかった元グッドホーム籍のクセのある他課員たちとも徐々に打ち解けていきました。
(※グッドホームに関しては第12話をご覧ください)

そんなこんなで、


当初は出社拒否の一歩手前まで追い込まれた私にもようやく平穏な日々が訪れていました。


同期で一緒に移籍してきた佐藤もソコソコ契約が取れるようになっていました。

そのため、いつもイヤミな続木課長も最近は上機嫌で、特販リフォーム課は次第に良い雰囲気になっていきました。

「独裁国家」東京第三営業所

トータルイノベーション東京支社は4つの部署に分けられていました。


➀東京第一営業所 → 23区南西エリア

➁東京第二営業所 → 23区外エリア

➂東京第三営業所 → 23区北東エリア

➃特販課    →  自社以外の担当部署


以上のような4チームです。

なぜか私の在籍する特販リフォーム課だけは「営業所」というネーミングになっていませんでした。。。

まあ、、なんせ大手ハウスメーカーのリフォーム会社なのに自社住宅以外の契約をしなければいけない訳ですから大変残酷な部署です。

なので、ちょっと格下?的な感じで「営業所」という名称では無く「課」という扱いだったのかもしれません。。


どこの会社でもそうだと思いますが、かならず社内には


「ハズレ部署」というものが存在します。


もちろん上司や所属長もさまざまですから、「営業所」や「課」などの閉ざされた狭いコミュニティーを見れば、


当然アタリハズレはある訳です。


みなさんも、口には出せないけど


「あの部署だけは絶対に行きたくない!」


というのは必ずあると思います。

私も当初この特販課へ配属になったことで、かつての新築部門の仲間から


「ほんとにトラジロウはツイテないよな~。。今まで設計部や現場監督で携わってきた自社の住宅以外を担当しなければならない部署に配属されるなんて。。。」


、、と同情されてきました。

たしかに私もそう思いましたし相当辛かったのは事実です。


しかし、、、


今回の本題である「東京第三営業所」は究極の激ヤバ部署だということがわかってきました。

なにが激ヤバかというと、


東京第三営業所長が恐るべきパワハラ所長だったからです。

恐怖政治の「樋口所長」とは

東京第三営業所の樋口所長(仮名)はトータルイノベーションの役員と密接な関係にあり、しょっちゅう役員と飲みにいったりしていました。

そんなこともあり、


「俺は取締役から信頼されている。何かあれば役員はおれに意見を求めてくる。だから東京支社で俺に逆えるやつはいねえ!俺に嫌われたらここでは生きていけなくなるから覚悟しとけよ!」

といったような過激なセリフを常に言い放っていました。

樋口所長は大柄で目つきも鋭く、威圧感オーラ満載で長時間恫喝してくるので、東京第三営業所の所員たちは


ヘビに睨まれたカエル状態で完全に樋口所長の奴隷となっていました。


もちろん実情を知らない第三者であれば、、


「そんなバカなヤツの言う事なんか聞かなきゃいいだろ。」


と簡単に言うかもしれませんが、、、


もし当事者だったらどうでしょう?


当時の目を覆いたくなるような恐ろしいパワハラの状況を目の当たりに見たら絶対に逆らうことは出来ないと思います。。


そういった状態の中で、


東京第三営業所の所員たちは、樋口所長にマインドコントロールされ身も心も完全に丸裸にされていました。


中沢支社長(仮名)も気づいてはいるものの、樋口所長が役員と密接な関係にあることを恐れてか?


樋口所長に注意喚起をすることはありませんでした。。


なので、当時の東京支社で樋口所長は「独裁者」と言われ、東京第三営業所は「独裁国家」と呼ばれていました。


東京第三営業所の所員は、ほぼ毎日飲みに付き合わされていました。


さらに酒癖も抜群に悪い樋口所長に思い切りカラマレ、、、

メチャクチャ悲惨な目にあっていました。


頭をぶっ叩かれ、、顔をビンタされ、、


ズボンやパンツまで脱がさせられて笑いものにされたり、、


樋口所長は自分は一切手を出さずに、


誰かを指名してそういった行為を実行させていました。


もちろん樋口所長の飲みの誘いを断ったりすれば、、






朝六時に出社させられて営業所内はもちろん全員の机や椅子まで毎日3時間以上掃除をやらされ、、


デスクの椅子を使用禁止にして立った状態で事務仕事をさせたり、、まるで


加減を知らない中学生のイジメのような、、、


限度を超えたありえないパワハラになっていました。




ある日、昼過ぎ頃に、


中沢支社長から私に内線が入りました。その内容は


本日の夜7時に応接室で私と面談をしたいとのことでした。

中沢支社長との面談で告げられたこととは?

約束通り、私は7時に応接室に行きました。

すでに応接室内で待機していた中沢支社長と目が合うと、


<中沢支社長>
「ああ、、トラジロウ君、遅い時間に悪いね。。ちょっと話したいことがあるんだよ。」


<私、>
「なんですか?ヤナ話しですか?まさか、、特販課に来たばかりでまた異動とかじゃないですよね?」


<中沢支社長>
「実は、、東京第三営業所のことだけど、、また問題があってね。。今度は高野主任が会社に来なくなっちゃったんだよ。。」


<私、>
「、、、またですか。。?!山本はこのあいだ退職しちゃいましたし、須藤だってウツ病みたいで休んでるし、、今度は高野主任まで、、いい加減に樋口所長のパワハラを何とかしないとマズいんじゃないですか?」


<中沢支社長>
「う~ん。。彼はちょっと厳しいところがあるからねえ。。でも、、東京第三営業所は高額物件も見込めて売上を落とせない大切な部署だから何とかしないといけないんだよ。。トラジロウ君は経験豊富で優秀だし、アウトローの田岡係長や元グッドホームの署員とうまくやっていける高いコミュニケーション能力を持っている。私はそんな君を高く評価しているんだよ。だから来月から東京第三営業所に行ってくれないか?」






私は頭のテッペンからツマ先までイナズマが貫通したような強烈な衝撃を受けました。。。






おいおい、、ふざけんなよ!なんでいつも貧乏クジなんだよ。。特販課だけでも相当苦労してようやく這い上がってきたのに、今度は究極のパワハラ独裁者のところへ行けってか?!




私はしばらく黙っていましたが、、、




<私、>
嫌です!行きたくありません。だいたいナゼ私なんですか?支社長も分かってると思いますけど樋口所長のパワハラは度が過ぎています。下手すれば自殺者が出ますよ!なぜあの人が所長でいられるんでしょうか?」


<中沢支社長>
「そんな縁起の悪いこと言うなよ。。じゃあ、、他に誰がいる?たとえば米山主任とか前園係長とか、もし行かしたとして樋口所長とうまくやっていけると思うか?」


<私、>
はあッ!? そもそも今の質問おかしくないですか?彼らだと樋口所長にやられてしまうけど私なら大丈夫そうだから涙を飲んで行ってくれということですか?」


<中沢支社長>
「なんだよ!その口の利き方はッ!もう決めたんだよ!これ以上一つの部署で問題がおこると東京支社としても困るんだよ!」




<私、>
「、、、、、、。。。」




だんだんバカらしくなってきた私はもうどうでもよくなっていました。




<私、>
「わかりました。もう決まっているんでは仕方ありませんね。ちなみに樋口所長はパワハラもそうですけど中沢支社長のことも日々「ナカザワ」と呼び捨てにしてますよ。ご存知だとは思いますけど。。。」




中沢支社長は典型的なサラリーマンタイプの人だったので、これ以上話しても無駄だと思い「独裁国家」への異動を受諾しました。


ということで、またしても波乱万丈の幕開けで


大きな不安に包まれるとともに、イイカゲンになんだか全てがイヤになっていました。


今度こそ会社を辞めることになるかもなあ。。。


次回>>第⑮話に続きます。




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