前回>>第4話からの続きです!
みんなが恐れる行きたくない部署ナンバー1の設計部。
しかもイワク付の特販設計課に配属。。
さらに通常3カ月目くらいから徐々に物件を担当するはずが一ヵ月目から物件を持たされて八方塞がり状態でした。
高層ビルの40階フロアに深夜最後まで残って一人仕事に明け暮れる日々が続いていました。。
新人に質問する設計部で新人
私が現場監督時代、設計の新人が右も左も解らず路頭に迷って、よく電話をかけてきました。
<設計新人>
「トラジロウさん。。ホントにすみません。。
自分、、全然分かってなくて、、
このままだと全く現場が収まらなそうなんですけど。。
しかも予備費も全然取れてなくて、、
もし職人さんに追加で何かやってもらっても予算が全然無いんです。。
だから対応してもらえないですよね。。
もし引渡しに間に合わなかったら、、どうしよう。。」
<私、>
「まあ、、設計は大変だよな!
俺もこの会社で設計はヤダな、、というか無理!
文句言ってたってしょうがねーよ!
もし俺が設計に行かされたとしたってお前と同じ状態になると思うよ!
まあ、、何とか納めといてやるよ!
費用も何とか捻出するから心配すんな!」
、と設計の新人たちが(当時数人しかいませんが、、)あまりにもカワイソウなので何とかしてあげていました。
そんなこともあり、設計部の新人たちとは仲良しでした。
本来の設計部の雰囲気だと他の課の設計マンに質問しづらい雰囲気でした。
しかしそんな年下の新人設計マンとは
質問しあったりしてお互いに助けあってました。
<倉本テキトウ課長>
「あれ~。。新人が新人に質問してるう~!
わかってないモン同士で大丈夫か~?クレームだすなよ~。」
、って言うかオマエがまともに教えね~から仕方なくこうなってんじゃね~か!
、、と言いたくなる気持ちをグッとこらえて無視してましたが。。
相変わらずダメ課長です。。(T_T)
百戦錬磨のベテラン営業と私
早くも難物件に当たってしまいました。。
設計の場合は難物件でも工事部と違って赤い管理台帳とかではありません。
なので担当として廻ってきた管理台帳を手に取って読んだあと、ようやくこれは面倒クサイ物件だとわかりました。
しかも今回は社内でも有名ドコロのヤバイ営業の担当物件でした。
この営業は契約もかなり取っていて、本来なら課長クラスの10年越えのベテラン営業なのにいろいろと問題があり、
昇格出来ないまま特販課のベテラン営業として君臨していました。
契約自体は結構取ってはいるものの何かと問題が多いという住宅営業ではよくいる典型的なタイプです。
なまじ経験があって社歴が長いので自分でドンドン押し進め、裏技を使って社内ルールとか決裁書類等うまくスルーして何とか契約してしまいます。
そして後に設計部でいろいろ発覚して大問題になるケースが多いのがこの営業の特徴でした。
今回のこの営業の担当物件は、開発がらみで造成地のような難しい土地の物件でした。
そのため物件難易度が高く営業もヤバイこの物件がナゼ経験値の浅い私の担当物件になったのか意味不明でした。。
おそらく倉本テキトウ課長がよく確認せずにテキトウに担当を割振ったんだと思います。。
明確な答えの無い建築設計は難しい
早速、お客さんの家にその営業と一緒に挨拶に行きました。
<私、>
「はじめまして、設計のトラジロウと申します。
よろしくお願い致します。」
<お客さん>
「あなたが設計の担当の方ですね?
せっかく安全安心な大手ハウスメーカーさんと契約して引越しとかローンの段取りとか全部すすめちゃってるのに。。
営業の神崎さん(仮名)が、
今更3階は建たないかもしれないとか言うんですよ
どうしてくれるんですか?何とかしてくださいよッ!」
、と、早くも最悪な雰囲気に。。
建築士以外の人にも解るように完全に解説するのは厳しいので超ザックリ説明しますと、
今回のお客さんの土地は開発地であり一般的な既に形成されている住宅地とは違います。
当時の状況もマサに造成中といった雰囲気の土地です。
この辺りの地域は、
高さ制限が厳しいため基本は2階建てしか建ちません。
しかし、たまたま計画道路(これから道路になる予定で既に事業決定がされている道路)があり、
その道路幅員が広く計画図面上では今回の土地に接しているっぽいので、
それを頼りに斜線制限という建築基準法が緩和されて3階建てが建つということになっていたようです。
実際、この土地は計画道路含めて3つの道に接しているのですが、、
高さ制限に関わる重要な方の道が、見た目は道路のように見えるのですが建築基準法上の道路では無かったため、
そもそも計画道路とは関連ずけられない
ということでした。。
(難しいので何となくのイメージだけで流し読みしてください(^^;))
設計部に引き継がれた段階で正式に物件調査を行ったところ、このような事態が発覚し大パニックとなってしまったのです。
要は、ぱっと見は道路に見えるのに実際には法律上認められた道路では無かったということが問題なのです。
皆さんはザックリしたイメージだけご理解ください。(建築士の方はツッコまないでくださいね(^^;))
だってそうですよね!
仮に皆さんが3階建て5LDKの家が建つと言われて数千万円出して土地を買ったとします。
でも後になって実は2階建てしか建たなくて3LDKがギリギリですとか言われたら発狂しますよね?!
しかし、、
そこが建築の難しいところで、役所や第三者機関(建築確認申請を役所の代わりに審査出来る民間企業)等によって、
判断や解釈が違ったり曖昧だったりするのです。
例えば渋谷区だとOKなのに新宿区だとダメ、、
といったことが結構あります。
おそらく今回のケースは、営業の神崎さんが独自で都合よく解釈をすすめてしまって契約まで行ってしまったんだと思います。
神崎さんに悪意があったのか?!早トチリでこうなったのか?!
それは今でもわかりません。。
でも神崎さんの物件は、こういった事がよく起こっていました。
私としては設計担当として何とか出来る限り努力するしかありませんでした。。
絶望の淵に立たされたカワイソウなお客さんの為にも。(^^;)
ちなみに神崎さんはこの段階でお客さんから二度と顔を出すなと怒鳴り散らされ担当を外されました。
経験と努力、そして責任感
会社に戻って倉本課長に相談すると、
<倉本課長>
「オマエ何だよ~!一人で何とかしろよ~
、、面倒くさいな~。。」
<私、>
「すみません、、そもそも難しすぎて意味がわかりません。。
お客さんも追い詰められていて相当ヤバイです。。
一体どうしたらいいんですか?!
計画道路がどうだとか?。。全くわかりません。。
道路に見えるのに、、役所の人は道路じゃないとか!?
、、さっぱりわかりません。。」
<倉本課長>
「何だよオマエッ!
じゃあ道路にしろよッ!」
<私、>
「、、、、、、。。。。。。」
道路にしろって何だよ!意味わかんね~んだよ!
、と心の中で叫びました。
全く話になりません。。
設計はとにかく経験値がモノを言います。
いろいろとイヤな思いをして、、
いろんなケースを経験し、ようやく建築というものがわかってきます。
私も経験を積んだ今だからこそ、どういった行動を取ればよいか?
どういう風に持っていけば解決できるかが解ってきました。
しかし当時20代で現場監督上がりの私には全てが理解出来ませんでした。。
しかしお客さんには最後の砦の設計担当者ということで毎日のようにセッツカレテしまいます。
いくら努力しても経験だけは補えません。。
でも何とかしなくてはいけないという
プレッシャーや責任感
だけは重くノシカカッテきます。。
結局、夏休みの5日間を返上して頑張っても解決の糸口すら見出せぬまま、、
毎日お客さんと現場や役所などを駆けずり回っていました。。
ただただ時間だけが無駄に過ぎ去っていきました。
捨てる神あれば拾う神あり
まだ20代で若かった私は体力的には何とか乗り切れてはいましたが精神的に一杯一杯になっていました。
35年ローンの高額な土地を買ったのに家の面積が予定の半分位の大きさになってしまいそう、、
ということでメチャクチャ追い込まれたお客さんからのプレッシャーは相当なものでした。。
お客さんからの毎日の怒涛の電話攻撃で私は相当追い込まれていきました。
私の他の担当物件でも、いろいろと勃発し負のスパイラルに突入していきました。
そろそろ俺も終わりか
と思っていた時、
設計一課の本条主任が突然私に声を掛けてきました。
本条主任
「おい、トラジロウ!神崎さんの難物件やらされて死んでんだってなあ、
ちょっと資料全部持って来てみろ!」
<私、>
「えっ!、、お忙しいのに大丈夫ですか?!」
<本条主任>
「いいよっ!わかんないもん考えてたっていつまでも解んないだろ!
どうせ4課じゃ倉本課長も教えてくれないし岡村係長はこういうケースは苦手だろうし、、
まあ、、あの人じゃ正直わかんないだろうしな?!」
本条主任は私より2年ほど先輩で当初は大苦戦していましたが最近急成長して今や優秀設計マンの一人です。
設計4課のダメ上司に挟まれ、、
異端児のヤバ営業マンの物件を持たされ路頭に迷っている私を、、
見るに見かねて声を掛けてくれたんだと思います。
本条主任は私から徹底したヒアリングを行い情況を把握してくれました。
そしてわかりやすくアドバイスをしてくれました。
おかげで私は、
どう動いたら良いか、何をすべきかの方向性
を何となく見出すことが出来ました。
結果、役所に道路みたいだけど道路じゃない道を道路と認めさせることが出来ました。
よって計画道路と関連ずけさせることが出来ました。
そして何とか3階建ての住宅が予定とおり建てられることになりました。
※詳細を説明すると大変なので簡単にハショッテます(^^;)
中田設計部長と倉本課長に呼び出される
ようやく一番の難物件のメドが付いたことで私は息を吹き返しました。
そして他の物件も何とか盛り返し軌道修正をして行きました。
今回助けてくれた本条主任も、私が現場監督時代、現場監督の私が出来るところは極力フォローするようにしてきました。
そういった私の行動が巡り巡って私に帰ってきているのかもしれません。
もちろん当時はそんな損得勘定で行動していた訳ではないですけどね(^-^)
そんな中、倉本課長から
<倉本課長>
「トラジロウさあ、明日夜なんだけど、、
中田設計部長が俺と3人で話ししたいっていうんで空けといてね。」
<私、>
「えっ、、何なんですか?、ヤナ話しですか?」
<倉本課長>
「わかんね~よ!俺も突然言われたからさ~。
とにかくそういうことだから。」
、と言われて何だかヤナ予感がしますが、、(-_-;)
長くなってしまったので、
また次回>>第6話に続きます。
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