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前回>>㉑話からの続きです。

美人受付嬢から誘われ、公園で二人きりで相談を受けました。







しかし、、そもそもなぜ私なんでしょう?


正直、今回の件に関して私とは全く関係がありません。。

しかも私が失脚させたパワハラ所長の彼女からセクハラ支社長の相談、、

もう訳がわかりません。。

私自身あと1週間で退職し、新たなるスタートに向けて転職就職活動も佳境を迎えている大切な時期な訳ですが。。




典型的サラリーマン中沢支社長の裏の顔

私は白鳥さんに尋ねました。


<私、>
「中沢支社長は典型的サラリーマンタイプの人で真面目で上からの指示には全て従うイエスマンという認識です。
なのでセクハラやパワハラとは無縁のタイプと思ってました。
中沢支社長は当時これ以上パワハラ樋口所長で問題が起きると自分の身に降りかかってくるので、唯一うまくやっていけそうな私を無理矢理東京第三営業所へ異動させたわけです。。」


<白鳥さん>
「私も中沢支社長は真面目で典型的サラリーマンの人だと思ってました。。
役職は下でも樋口所長のことは長峰専務との関係もあるせいか、かなり気を使っていました。
でも、、長峰専務が引退し、さらに自業自得なんですがトラジロウさんとの一件で樋口所長が一気に失脚してしまってから急に私にアプローチしてくるようになったんです。。」


<私、>
「ホントにちっちゃい人ですね。。支社長って。
しかもセクハラ、、もう呆れてモノが言えませんわ。。
ああいう真面目な人ほど裏で女性に対して有り得ないような大胆な行動に出たりするっていうけど、、
マジでヤバイですね。。そういう人って私には理解出来ません。。
私の同僚でも大人しくて優しくて奥手だと思ってたら、、
裏で同じサークルの女の子に毎日しつこく電話してたことを知ってドン引きしたことがありましたけど。。
こういうのってある意味病気なんだと思いますけどね。
ムッツリ病。。」


<白鳥さん>
「本当にイヤなんです。。毎日ふと気づくと私を見てるし、、なぜか私の携帯番号も知っていて毎日かけてくるし。。本当に気持ち悪いんです。。」







意外に真面目で仕事一本だと思ってた人が大胆に社内不倫してたり、、

大人しくて奥手かと思ってたら仲間に内緒でガンガン身内の女の子にアプローチしてたり、、

今まで私もいろいろな人と接してきましたので確かにそういう人もいましたが。。


しかし、ここで私は彼女に根本的な質問をしてみました。


<私、>
「まあ、、中沢支社長が不器用で空気が読めないムッツリスケベだってことはわかりましたけど。。
しかし、いくら白鳥さんが困っていて何とかしてあげたいと思ってはいても、、
私は人事部の所員でもなく本社の部長や支社長の上の役職でもない、
あと一週間で退職するタダのヒラ社員なわけで、、
せっかく私に相談を持ちかけて頂いても何のお力にもなれないと思いますけど。。」

今や反逆のカリスマ?!

<白鳥さん>
「トラジロウさん、、ご存知ないのかもしれませんが。。
今や東京支社でトラジロウさんは反逆のカリスマとしてすごく有名人です。
私も樋口所長と付き合ってはいますが、そういうことを超越してトラジロウさんのファンの一人です。
何かトラジロウさんに相談すれば何とかなりそうな気がしてしまって。。
もちろん、、おっしゃる通り会社的に役職や人事権を持っている訳ではないことは充分わかっていますけど。。」


<私、>
「まあ、、私が白鳥さんのファンなのに、その白鳥さんからファンだと言われれば大変嬉しいんですけど。。」




、、そうなんだよなあ。。


結構いつもイイ線行くんだけど、、でも結局「イイ人」で終わっちゃうんだよなあ、、


、、オレってやっぱフェロモン無いんかなあ。。




いつものパターンで、結局白鳥さんのような美女と付き合ったりは無いよなあ、、

などと白鳥さんに気づかれないように少々不純なことを考えていました。

あとで同期の佐藤から聞いた話しだと、私と樋口所長との件は、どんどん尾ヒレが付いてかなり誇張されてしまっているようでした。


【トラジロウは裏社会の人間だ!】

【トラジロウは過去に何か大きな犯罪を犯している!】

【トラジロウを怒らすと殺される!】


、、など、一番多いのは、私が


裏社会の人間と繋がりがある


というウソ話でした。。

もちろんそんな事は一切ありません。

私はタバコも吸ったことすら無いし、過去に髪を染めたりもありません。

たしかに、例えば社内の女の子と付き合ったりした程度なら

「オイ!トラジロウ!オマエ事務の〇〇さんと付き合ってんのか?」

などと気軽に聞いてくると思いますが、、

いかんせん、今回の件はコトがコトだけに、直接私に


「トラジロウ、樋口所長を絞め上げたそうじゃないか?どうやってケンカしたんだ?」


などと聞きにくいせいか、

この件に関しては一度も直接聞かれたことはありませんでした。

セクハラ中沢支社長との面談

そんなこんなで、、

とりあえずは白鳥さんとの相談を終えた私は、翌日中沢支社長に応接室に呼ばれました。

私が退職する理由や現在の転職就職活動の状況なども含めていろいろと面談したいとのことでした。

もちろん私が退職する段取りは全て終わっていて、あと六日で退職なので無理に引き留められることも無いと思っていました。

応接室に入ると中沢支社長は既に座っていて、


<中沢支社長>
「おう、トラジロウ、まあ座れ!」


と言われ、私は中沢支社長の正面に座りました。


<私、>
「何なんですか?わざわざ呼び出して面談するなんて。。
私の退職はもう覆らないし、転職就職活動も佳境に入っていて忙しいんですけど。。」


<中沢支社長>
「いや~、、ほら、、俺も大切な社員が辞めるんでちゃんと理由というか、、今後のためにもいろいろ勉強しないと、、とか思ってな。
オマエの今後もすごく心配だし。。」


<私、>
「まあ、私の退職の理由は、当時これ以上パワハラ樋口所長の営業所が問題起こすと中沢支社長が降格になるんで唯一大丈夫そうな私が無理矢理そこに異動させられたというのが第一にありますかね。
私は不本意ながらトータルイノベーション、、しかも特販課に配属されて、さんざん苦労してやっと先が見えてきたら中沢支社長の体裁を保つためにこうなった訳ですから、、立派な退職の理由ですよね?」


<中沢支社長>
「う~ん、、そんな風に言われるとオレもツラいなあ、、今度最後に人事部からのヒヤリングとかもあるだろ、、私はね、トラジロウの実力をすごく買ってたんだよ、、だから誤解されてたらイヤだなと思って今日話しをさせてもらおうと思ったんだよ。。」

身勝手な支社長の思惑に再び反逆のトラ!

当時、あまりにもパワハラ樋口所長による退職者や出社拒否、うつ病など、東京支社は問題が多かったため、ここ半年ほど前から退職者に対して人事部がヒアリングするようになっていました。

中沢支社長の不可解な態度を見ていた私は、ふと、その事を思い出しました。


はは~ん、、そういうことか。。


人事部のヒアリングで自分の評価が下がるか心配なんで忙しいオレを呼び出して様子を見ようとしているんだな。。


フザケやがって!ナメんのもいい加減にしろよ!


完全に頭にきた私は、


<私、>
「中沢支社長!悪いんですが事実は事実としてありのままに伝えていきますよ!私の在籍した会社が今後良くなってほしいですからね!」


<中沢支社長>
「なっ、、!何を言ってるんだ?!とにかくオレはトラジロウの実力を買って、、」


言い訳じみたその中沢支社長の言葉を遮るように、




<私、>
「もういい加減にしましょうよ!
セクハラ支社長!




私の「セクハラ支社長」発言に、中沢支社長の顔はミルミルうちに青ざめていきました。


<中沢支社長>
「なっ、、何なんだ、、何を意味の解らない事を言ってんだ?!おかしなコト言うのはやめろ!」


想像以上におそろしく動揺している中沢支社長を見て私も内心かなり驚きましたが。。


<私、>
「そもそもトップである支社長がちゃんと職務を全うしていたらパワハラ樋口所長も生まれなかった訳ですよね?」


顔を真っ赤にして動揺する中沢支社長に対して私は続けました。


<私、>
「パワハラもダメですけどセクハラもみっともないですよ!
オレはいろんな情報を握ってるんで本気で人事にも暴露していきますよ!
そもそも支社長がしっかりしていればオレも退職しないですんだんですから。」


とぼけた中沢支社長に対してだんだん本気で頭にきた私は威圧的なトーンで言い放ちました。


次回はいよいよハウスメーカーシリーズ最終章となります。


窮地に追い込まれた中沢支社長の反撃は?


白鳥さんや失脚したパワハラ樋口所長の現在は?


次回>>第㉓話に続きます!









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