皆さん、こんにちわ!
住宅業界コンサルタントの真山虎次郎でございます。
今回は私のYouTubeチャンネル
で解説した内容です。
その前編となっております。
今回、この前編に関しては
大手ハウスメーカーとは
が主なテーマとなっています。
現在ハウスメーカーや工務店で注文住宅を購入しようと考えている方!
またハウスメーカーの営業マンやリフォームの営業マンに至るまで
住宅業界に関わる全ての人に必見の内容です!
※今週号のベンチャー企業奮闘記はお休みさせて頂きます。
トラジロウのプロフィール
私の住宅業界での経歴をご紹介させて頂きます。
私は大学の建築学科を卒業後、
鉄骨系と木造系のハウスメーカー2社
に合計17年ほど在籍しました。
その中で、注文住宅の営業マンをはじめ、
現場監督、設計士、増改築リフォーム、不動産調査、インテリアコーディネート、アフターサービス、新規事業部他、、
あらゆる実務を経験してきました。
ちなみに注文住宅の営業マン時代は
設計兼任の技術系営業マン
として建築基準法チェック等含めた基本設計は全て一人でこなしました。
フリーランス時代にはハウスインスペクション(住宅診断)を百数十棟担当しました。
住宅業界においては職人以外、全ての職を網羅してきました。
そのため一方向からだけの偏った視点ではなく、
あらゆる視点から客観的な解説が可能です。
住宅は一生に一度の大きな買い物です。
さらに個々のお客様によってその価値観はさまざまです。
私は現在、建設会社のサラリーマンの傍ら、
住宅業界コンサルタント
として住宅購入を検討されているお客様に対して個別コンサルをしています。
お客様のご要望やこれまでの経緯など充分にヒヤリングを行い、
そのお客様にとって最良の住宅会社選び
などをサポートさせて頂いております。
私の最大のウリは
助言者であって販売者にあらず
というところです。
住宅にかかわらず、保険や投資など金融商品においても、
相談する人と商品を売る人が一緒だと客観性に欠ける
ということが現代では徐々に常識化しつつあります。
木造系のハウスメーカーに行けば木の良い点をたくさん言われます。
鉄骨系のハウスメーカーに行けば鉄の良い点を熱心に解説されます。
しかしこれは仕方が無いし当然のことです。
その担当した営業マンが知識も技術もある優秀な人だったとしても、、
客観的なアドバイスにはなりえません。
私は今までの幅広い経験や知識を生かして
客観的なアドバイスをして適正な報酬を頂く
という仕事だけに特化しています。
なので、私が相談者の方の家を請け負うことは100%ありません。
どこかのハウスメーカーと提携していてそこに紹介することもありません。
なので担当したお客様からは大変高評価を頂いております。
その他私のプロフィールに関しましては
私のYouTubeチャンネル
トラジロウのブログ
などをご覧ください。
大手ハウスメーカーとは
ここでは大手ハウスメーカーについてザックリ解説します。
簡単な定義として、
大手ハウスメーカーは積水ハウスや大和ハウスなど年間販売棟数が10位くらいまでの会社とします。
一方で今回の工務店の定義は大手ハウスメーカーより3割程度安い価格訴求型の一般的にイメージされる工務店としています。
たとえば社員数10人未満の小規模な工務店であっても、
「超断熱」「超耐震」「無添加」「建築の匠」
といったように品質重視型のいわゆる
意識高い系の工務店(住宅建設会社)
に関しては大手ハウスメーカーに近い価格帯で高品質なので今回の対象からは除外しています。
大手ハウスメーカーの価格
大手ハウスメーカーといえば、
「値段が高いんでしょ?!」
と、まずは頭に浮かぶと思います。
実際に値段はかなり高いです。具体的に言うと
延床35坪前後の2階建住宅が3000~4000万
といったイメージです。
ちなみに坪単価はあてにならないので総額で考えます。
一方で工務店やローコストメーカーの場合は
延床35坪前後の2階建住宅が2000~2500万
というイメージです。
すなわちザックリ3割程度の価格差あります。
大手ハウスメーカーの値段が高い理由は
TVCM等広告宣伝費・展示場・余剰人員(開発・アフター他)
など、さまざまな理由があります。
たとえばTVCMなどの広告宣伝費に年間約300億円かけている大和ハウスや積水ハウスを見てみると、
年間の住宅販売棟数は1万棟くらいですから単純に割ってみると一棟あたり200万から300万円が広告費等で上乗せされていることになります。
ほかにも、
企画管理部、開発センター、アフターサービス会社など、
とにかく莫大な人件費や経費がかかっています。
たくさんお金をかけることが悪いとは言えません。
すごく手厚くなっているともいえるでしょう。
カタログに関しても驚くほど超豪華なものがあったり、
とにかく莫大な種類のカタログがあります。
超豪華な住宅展示場を大量に建てまくっている会社もあります。
なので総合力はあっても販売価格はかなり割高になっています。
保障・安心・持続可能な経営、、
大手ハウスメーカーは
長期保証、アフターサービス、持続可能な経営
など、良い点もたくさんあります。
ほとんどの大手ハウスメーカーは長期保証をうたっています。
最低でも30年から60年保証というところまであります。
ただし単純に長く保障してくれるというわけではなく一定の条件があったりします。
例えば完成から15年後に外壁・屋根塗装工事などの有料リフォーム工事を行った場合、
さらに翌15年間保証を延長する
といった感じです。
大手ハウスメーカーは専門のアフターサービス部門を持っています。
たとえば積水ハウスは積水ハウスリフォームという会社を持っており、
アフター専門のスタッフが約1400人
もいます。
他でもセキスイハイムならセキスイファミエス、
ミサワホームならミサワリフォームなど、、
(ミサワホームングという会社もあります)
とにかく万全な体制になっています。
大手企業は比較的倒産しにくい
というのは事実です。
一方で、一般的な工務店の場合、
10年以内に倒産や廃業、吸収などでその半数が無くなる
とも言われています。
そういった観点で言えばやはり大手ハウスメーカーは安心・安全と言えます。
ただし工務店に関して補足ですが、
前項でふれた、
意識高い系の工務店
などの優良な工務店も中には存在しています。
そういう工務店に関して統計を取ればもっと倒産確率は低いと思います。
余談ですが、工務店の倒産が気になる方は、
住宅完成保証制度
を検討してみると良いでしょう。
こちらは建設会社(工務店)が加入するのに一定の審査基準があります。
なので加入の有無を聞くことで経営の危ない工務店を見極める手段にもなります。
仕様・品質(競合を意識しすぎて過剰品質)
ハウスメーカーに行くと、いかに自社の工法や仕様が良いかを熱心に説明されます。
実際に「住宅性能評価制度」の各項目が下記のように
● 耐震等級3(最高等級)
● 温熱環境4(最高等級:断熱性能等基準)
● 劣化対策3(最高等級)
、、など、とにかく最高等級の獲得に必死です。
さらには
トリプルガラス窓や外断熱付加2×6工法
など、、
いかに自社が最高の仕様であるかをアピールしようとしてきます。
また、高断熱高気密に関しても、
「ウチはUA値が0.43だ!」
(UA値とは最近主流の断熱性能を計る指標)
、とか、
「いやいや!ウチは樹脂サッシとアルゴンガス注入でUA値0.42だ!」
など、競合の性能数値などを過剰に意識し合っています。
ハウスメーカーにはそれぞれ
【その会社のウリ】
があります。
代表的なものをあげると、
太陽光、全館空調、ZEH、独自工法、、
なのでお客様が何社もハウスメーカーで話しを聞くと頭の中がパンクしてしまいます。
中には各社比較表をアプローチツールとして見せてくる営業マンもいます。
「この表でA社B社C社に比べていかにウチのUA値やC値などの数値が優れているかわかりますか!」
などと誇らしげに自慢されたりします。
実際、それらの数値はあくまでも
モデル数値やキングデータ
といわれる最上級の環境や間取りで測定したデータだったりします。
なので実際の家で同じ数値を出そうとするといろいろと弊害が出ます。
設計士でもある私から言わせれば、
日射取得や日射遮蔽など設計力
を駆使すれば結果的に断熱性能を向上させることは可能なのです。
家族全員の要望(部屋の広さや天井高さなど)も考慮して総合的に計画するべきです。
営業マンの偏ったスペシャルトークに惑わされた結果、家づくりに失敗したお客様を何人も見て来ました。
大手ハウスメーカーの場合は、
競合を意識して過剰品質・オーバートーク
になっているところがあるので、
話し半分で聞いて冷静に全体を俯瞰して考えるようにしましょう。
木を見て森を見ず
にならないことが一番重要です。
設計力は?無難に、攻めず、クリアランス、、
設計力に関してですが、
大手ハウスメーカーは鉄骨系が多く設計力は弱めです。
鉄骨の場合、全ての構成部材は規格寸法が決まっています。
木造のように現場で切ったりなど出来ません。
なので、
「あと5cm広げたい」
と言われても、
「45cm広がってしまいます。。」
とか、
「天井高さを2450mmにしてください」
と言っても、
「2400mmか2600mmのどちらかしか出来ません」
など、かなり融通が利かない場合もあります。
東京など狭小地必須の地域では相当不利だと言えます。
他にも、契約後の実施設計の段階で、
高さ制限などがアウトにならないようにクリアランスを大きく取る場合もあります。
たとえば、
敷地に高低差がある場合、平均地盤面の算定などで建築審査機構の解釈によっては高さがアウトになる可能性があります。
そのため計算上の天井高さより安全をみて10cmほど低く設計するケースもあります。
木造系でも在来軸組み工法ではなく独自工法で壁式構造だったりするため設計力は低いと言えます。
大手ハウスメーカーまとめ
というわけで、、
長くなってしまったので簡単にまとめます。
お金のある人は大手ハウスメーカーで、
あらゆるコストをかけて技術力や開発力、さらには数多くの実績もあるのは確かです。
たとえば一般的な工務店が2500万で大手ハウスメーカーが3500万円だったとします。
一般庶民にとってこの1000万円の価格差は厳しいです。
しかしそれでも問題無く支払えるという人にはオススメです。
やはり、
高品質・安全安心・アフターサービスの充実
など、良い点もたくさんあるわけです。
ただし住宅ローン限度額ギリギリで無理して買う必要はないと思います。
あくまでも実際に内部事情を知りつくした私の意見です。
グローバル化で変化した住宅業界のビジネスモデル
一方で、グローバル化した現代では
個人がブランディング出来る時代
になってきました。
SNSやスマホ、YouTubeなど、、
大手ハウスメーカーにとっては厳しいフェーズに入ったといえます。
20年以上前の情報伝達手段に乏しい時代が大手ハウスメーカーの全盛期でした。
当時はTVCMに莫大な資金を投入すれば
圧倒的認知度と絶対的ブランディング
を獲得することが出来ました。
それに対して当時の小規模事業者たちは為す術がありませんでした。
近年では住宅業界のビジネスモデル自体も大きく変化してきたといえます。
かつての
大手ハウスメーカーというビジネスモデル
が現代社会には少し合わなくなっているような気がします。
木を見て森を見ず、、に陥らない
ということで、私の結論は、
【お金に余裕があれば大手ハウスメーカーもおすすめ】
ただし生活を切り詰めてまで買うべきではない。
ということです。
あと、私は個別コンサルのお客様に
木を見て森を見ず
にならず全体を俯瞰して客観的に判断するよう常に助言しています。
ハウスメーカーは高気密高断熱や全館空調、太陽光、ZEHなど
【自社のウリ】
をとにかく最大限にアピールしてきます。
そこで洗脳することが出来れば自分に有利なカタチで商談を進められるからです。
適確な例えかどうかわかりませんが、、
異種格闘技の試合をする場合、
ボクシングの選手はなるべく立って試合をするルールにしたいわけです。
一方で総合格闘技の選手は殴り合いを避けて寝技や組み技が有効なルールを要求します。
住宅業界の営業戦略も同じです。
要は、いかに自分に有利な展開で商談を進められるかを第一に考えています。
かつてハウスメーカー時代の私もそうでした。
なので、どんなに営業マンからウリを説明されてもウのみにせず、
総合的かつ客観的に判断して自分に合ったハウスメーカーを選択することが大切です。
皆さまの住宅選びが最良となることを願ってます!
※11.5追記:真山虎次郎からのアドバイス
いきなり住宅展示場に行くのはオススメしません。
最初は無料の資料請求などで事前に勉強することが大切です。
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