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前回CP1➈>>大規模組織改革の続きです。

緊急全体会議でその改革案が社員に発表されることになり誰もが不安に包まれながら大会議室に集結しました。


アフターサービス部門の拡大と改革

一都三県の首都圏で勤務するあらゆる部門の社員が大会議室に集結しました。

どのくらいの人数だったかは覚えてませんがザックリと1000人くらい?だったかと思います。。

本部の取締役が壇上に立ってその全貌を語りました。




<本部取締役>
「現在、我々ハウスメーカーは大きな過渡期を迎えていると言えます。
今後の我が国で予想されている少子高齢化、人口減少、世帯年収の低下、
さらには住宅の高品質化、、、
といったことを踏まえると、
今後は新築住宅を継続して大量生産する時代で無くなることは明白です。
我が社は日本を代表するハウスメーカーであり大規模な組織です。
現時点で大きく舵を取り直さないと傾いてから修正するのでは遅すぎます。

~ 中略 ~

よって今後は自社の住宅のアフターサービスのみ行っている○○アフターサービス株式会社を、

既存顧客のアフターサービスを継続しながら総合住宅リフォーム事業

にシフトすることを決定しました。
よって社名を○○アフターサービス株式会社から

トータルイノベーション株式会社
(※上記社名は仮名です)

と改名し社員の大幅増員等を急ピッチで進めて参ります。

10年後の住宅総合リフォーム事業全国売上第一位

を実現するべく事業展開していくことを決定しました。」

新築部門の縮小とアフター部門への大規模異動

解説しますと、、

今後は今までのように新築住宅を生産してドンドン売っていくのは厳しいとの結論でした。

弊社は大手ハウスメーカーのため過去に建築した住宅が相当数あります。

しかも弊社の住宅は認定工法のプレハブ住宅なので一般的な在来木造住宅と違って

構造に関わる大規模な工事は原則当社でしか出来ません。

さらにブランド力も信頼もあるため弊社で建てた顧客はリフォームや増改築の相談を真っ先に弊社アフターサービス部門にしてきます。

そういったことも含めて今までは○○アフターサービス株式会社というアフター部門が弊社の顧客を対応してきました。

この部門はあくまでもアフターフォローが主の会社です。

そのためリフォーム工事や大規模増改築工事を受注して売上を上げていこうといった概念はありませんでした。

逆にリフォーム工事の売上はオマケ的なイメージで給料が変わらないのに仕事が増えて面倒クサイと思っている社員も多数いました。

そもそも人数が少ないのと形式的なアフターサービスの窓口的な会社だったため、せっかく顧客が

大きなリフォーム工事を依頼してきても対応出来ず

認定工業化住宅といった他社では出来ない優位性があるにもかかわらず、

他のリフォーム会社等に大きな受注を持っていかれてしまっている

実態がありました。

これは相当もったいない話しであることは間違いありません。

大きなビジネスチャンスを見過ごしてきたと言えます。

なので今回の改革では新築部門を縮小してアフターサービス部門を拡大し売上を大きく伸ばしていこうという考えでした。

新築部門とアフターサービス部門との確執

確かに会社側の言いたいことは分かるのですが、、

当時の新築部門とアフター部門はいろいろと確執がありました。

ハウスメーカーのためどうしても

新築部門が花形でアフター部門は格下

といった概念が根付いていました。

人数も圧倒的に新築部門の社員が多くまさに光と影と言った状況でした。

実際に新築部門でダメダメの社員が行き場がなくてアフターサービス部門へ行かされる、、

といった事があったりしました。。

新築部門とアフター部門では入社ルートも全く違っていました。

新築部門の我々の方が固定部分の給料も若干高めの設定となっていました。

もちろんアフター部門の社員は社員でプライドを持ってやってますから、




「新築部門の奴らは何かとエラソーだ!新築部門がもう少しちゃんとやってくれたらアフターも楽だしお客様ももっと満足する!」

といった感じで何となく双方に確執?的なものがありました。

大規模人事異動発令!その人員は?!

全体会議を終えて設計部フロアに戻って仕事をしていました。

すると夕方になって北島課長に声をかけられました。

<北島課長>
「トラジロウ、ちょっといいか?打合せブースへ行こう」

ということで、打合せブースへ行って着座すると、


<北島課長>
「今日の全体会議で言ってた大規模人事異動だけどさ、、
まず第一波で異動する人のリストが今廻ってきて、、
全部で50人くらい新会社へ行くんだけど、、
オマエもそのリストの中に入っちゃってるんだよ


<私、>
「え~ッ!!設計に来てまだ3年ですよ!しかも二課に来てからは3カ月しか経ってない。。
北島課長も最高の上司だと思ってますし、、
二課も最高のチームで、、
やっと安住の地に辿り着いたと思ってたのに。。」


<北島課長>
「オマエも頑張ってくれてて感謝してるし、、
ウチの課はバランスが取れててイイ雰囲気だし、、
俺だって残念だ。。
でもオマエ以外にも設計部でまた5人も持っていかれるから、、
残された俺らも全く明日が見えてこない


しばらくの間、私も北島課長も黙ってうつむいたまま放心状態でした。。

今までの部署異動だけでも相当面倒だったのに、、

今度は確執のあるアフター部門が刷新された新会社に異動とは。。

いったいどうなるんだろう。。

給料も変わるんだろうか?!

少なくとも格下の組織に行かされる訳だから増える訳はね~よな。。

なんか、、サラリーマンって面倒くさいな~。。

とりあえず今辞める理由も無いから辞令通り行くしかないんだけど。。

新会社トータルイノベーション株式会社

、という訳で、、

翌月から慣れ親しんだ新築部門を離れて新会社で元下部組織だった

トータルイノベーション株式会社に新築部門籍の出向扱いという形で異動が確定しました。

左遷された訳でもないけど、、

でも左遷されたような。。

複雑な心境の私はいろいろと人生について考えさせられました。。

これからは

リフォームの営業

という肩書になる訳です。

新築と違って手摺の取付けや給湯器交換といった小工事も多い訳です。

なので新築のように

営業、企画、設計、現場監督

といった部門を大きく分けるといったイメージではなくリフォームの場合は、

営業、見積り(積算)、工事(増改築等大きな工事の場合は設計や工事監督が出て来ます)を全て兼ねるのが原則です。


静かに黙々と設計部の自分の席を片付けながら新会社への出向に大きな不安を抱いていました。

次回>>第11話に続きます!







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