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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第103話からの続きです。

柳沼主任の実家に損害賠償を請求しに行くように命じられた私。

嫌々ながらも実家の父親と対面しました。

そして柳沼主任の不正の話しをし始めた瞬間、

私は門外に追い出されてしまいました。




消えた納屋の謎

営業所に戻った私は長井所長に一連の流れを説明しました。

しかし長井所長は頭ごなしに、

「オマエは腰抜けだ!
何度でも行ってこい!」

などと私をめちゃくちゃ罵倒してきました。

しまいには、

「オマエ!、会社辞めるか?!」

と大声で煽られました。

そして遂に怒りが頂点に達した私は、

「いつでも辞めてやるよ!」

と思わず反旗を翻しました。

プライドの高い長井所長に宣戦布告をしたわけです。

なので私は長井所長が

いったいどんな報復に出てくるだろう。

と構えていましたが。。

私の毅然とした態度に圧倒されたのか、

意外にも長井所長が折れるかたちで、

「この件はオレが引き継ぐからオマエは営業数字に集中しろ!」

と言ってきました。

いずれにしても助かりました。

だって損害賠償の請求なんてイヤですからね。。

それも柳沼主任のお父様に対してなんて。。

翌日、久しぶりに黒沢邸に行きました。

柳沼主任から引き継いだ500万の案件です。

工事着工が再来月と余裕があったため、

実に3週間振りの訪問となりました。

私はイヤなことを思い出していました。

柳沼主任から引き継いだこのリフォーム工事の金額は500万円です。

当初はかなり利益率が低いのではないか?

と懸念していたのですが。。

実際に私が再度積算したところ以外にも妥当な金額となっていました。

しかし裏庭にある大きな納屋の解体と廃棄物処分費なども請け負えば追加で50万円ほど頂かなくてはなりません。

その納屋の解体撤去処分はサービスで行うと柳沼主任は約束していました。

なぜそんな無茶な約束をしたんだろう。。

これを無償で行えば利益率が大幅に下がってしまう。。

私は重い気持ちのまま黒沢邸の裏庭にまわりました。

あらためてその大きな納屋を再度検証するためです。

しかし私は驚きました。

なっ、無い?!

あのデッカイ納屋が無くなってる?!

私は黒沢様にたずねました。

<私、>
「そこに建っていた大きな納屋はどうしたんでしょうか?」

すると黒沢夫婦はお互いに顔を見合わせたまま少し考えていましたが。。

<黒沢ご主人>
「えっ、ええ。。
まあ、。。」

歯切れの悪い感じで下を向いてしまいました。

すると今度は奥様が、

<黒沢奥様>
「別にいいんじゃない?
トラジロウさんに話したって。
悪い話じゃないでしょ!
トラジロウさんは話しがわかる人だし。」


何を言っているのか意味がわからず二人を見つめる私。


すると、、

<黒沢ご主人>
「ええと、、実は、
柳沼さんが先日突然現れまして、、」

私は驚きました。

なぜなら彼とは一カ月以上音信不通だったからです。

私も数多く電話しましたが柳沼主任がでることはありませんでした。

なぜ我々と一切の連絡を断っていた柳沼さんが黒沢邸を訪れたんだろう。

不正受注者が刻んだ義理人情

<私、>
「なぜ柳沼は黒沢様のお宅を訪れたのでしょうか?」

いつもと違って歯切れの悪いご主人とは対照的な奥様が、

<黒沢奥様>
「納屋の解体は自分が責任もってやりますって言ってきました。
そのために来ましたって。」

<私、>
「ええっ?!、、
なんで今更、、納屋の解体を柳沼が?!」

私は全く意味がわかりませんでした。

会社から追われる立場である柳沼さんが、、

なんでノコノコと、しかも

なぜ今さら納屋の解体を彼がやる必要があったのでしょうか?

全く意味不明です。

すると黒沢奥様がゆっくりと話してきました。

<黒沢奥様>
「柳沼さんといろいろ話しました。
会社の顧客を不正に受注していたことも、
みんなに迷惑をかけたことも、、
とにかく全て自分が悪いって言ってました。」

<私、>
「えっ?!、、彼はそんな赤裸々に、、
いろいろなコトを語っていったんですか?」

<黒沢奥様>
「そうなんです。
結果、彼は悪いことをしたわけですが。。
もちろん私たちだって同罪です。
いくら柳沼さんを信頼してって言ったってダメなことはダメですもんね。」

黒沢奥様はその時は少し申し訳なさそうに、

テンションを落とし気味に話しました。

<黒沢奥様>
「でも、、柳沼さんはトラジロウさんのことを心配してました。
何よりもトラジロウさんには迷惑をかけたくないって。
だから納屋の解体撤去だけは自分の責任でやらないといけないって。」

今までの話しをずっと聞いていた私は、、

何となく彼の行動の意味がわかってきました。

結果として彼は不正受注を繰り返していました。

それは悪いコトですしある意味犯罪です。

でも彼はすごく律儀で義理堅いところがありました。

そもそもの話しですが、、

この黒沢様は私の営業数字が厳しかったために

柳沼主任が私に譲ってくれたお客様です。

本来は柳沼さんが自分で工事を請ける予定だったお客様です。

私に譲ったことによって、

自分が会社に内緒で工事を請けていることがバレる

可能性が高くなります。

しかしその時の柳沼さんは、

減給・降格が目前だった私を何とか救いたい!

と思って譲ってくれたんだと思います。

彼はそういう義理人情に厚い人間でした。

たまたまこの黒沢邸は利益率も確保できていたこともあり、

私に引き継いでも問題ないと思ったんだと思います。

しかしあの大きな納屋の解体撤去も入れると利益率が大幅に下がって私に迷惑がかかってしまう。

だから柳沼さんは辻褄を合わせるために自ら出向いてこの納屋の撤去解体を請けたんでしょう。

しかし疑問もあります。

たしかに柳沼さんは前職が産業廃棄物系のアヤシイ会社でした。

不法投棄などもしていそうな会社でした。

そのため柳沼さんは私に、

「トラちゃん!解体や廃棄物処分で困ったらオレに言ってよ!
超格安で出来ちゃうトコ知ってるから!」

とよく言っていました。

なので正規の解体業者に依頼すれば50万ほどかかりますが、

もしも柳沼さんの前職でやれば20万くらいで出来るのかもしれません。

しかし廃棄物処分は格安としても実際に解体を行う作業人工はかかります。

どんなに安くても解体作業費と廃棄物処理で20万ちかくはかかるでしょう。

柳沼さんは本当に全て無償でやったのでしょうか?

私は黒沢夫妻にたずねました。

<私、>
「黒沢様、それにしても全部解体撤去するのは相当大変です。
柳沼は全て無償でこの解体撤去を行ったのでしょうか?」

すると黒沢夫妻は下を向いたまま黙ってしまいました。

次回>>第105話に続きます。

※ベンチャー企業奮闘記は毎週月曜日更新です







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