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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第21話からの続きです。

この会社に転職してきてから遂に新人猶予期間最後の8カ月目に突入!

今月の30日間で契約金額合計300万円を達成出来なければ退職せざる負えません。。

だって来月から給料がわずか8万円になってしまうわけですから。。




魅惑の着信に翻弄される正念場

長井所長に呼ばれ、席に向かって歩いていた瞬間に再び携帯電話が鳴りました。

携帯電話の画面には

『石井優香』

と表示されていました。

その時、なぜか私は胸の高鳴りを隠しきれませんでした。

<私、>
「ちょッ、、ちょっとスミマセン!!
お客様から電話が入ってしまったので後でまた行きます!」

と言い放ち、孫娘の電話にでるためにトイレの中に駆け込みました。

<私、>
「もしもしトラジロウです。
先ほどは電話に出れずに失礼致しました。」

<孫娘>
「トラさん、お久しぶりです!
その後契約は取れましたか?
会社を辞めないですみそうですか?」

<私、>
「ええ~、、まあ、、
今月の契約金額が合計300万円達成出来なければ辞めるしかありません。。
だって来月から基本給料が8万円になっちゃいますからね。。」

<孫娘>
「ええ~、、そうなんですかぁ~、、
じゃあ先月はダメだったんですね。。
邪魔しちゃイケないと思って電話とかしないようにしてたんです。
でもスゴク心配してたんですよ~、、」

<私、>
「ありがとうございます。
でも先月私の先輩営業マンが自分のお客さんから私のために200万円の契約を取ってくれました。
なので今月は最初から200万円契約済みの状態からスタート出来ました。
あと残り29日間で総額100万円の契約をすればクリア出来ます!」

<孫娘>
「スゴ~イッ!
良かったですね!
そうやって周りの人が協力してくれるなんて、、
やっぱりトラさんってすごく人望があるんですね!」

<私、>
「、、人望があるかどうかはわかりませんが。。
まあ、、文句を言っても仕方ないんで当初は営業所の皆さんのために出来ることは精一杯やりましたからね。
そういった姿勢を皆さん気にしていないようで実はちゃんと見ていてくれたのかなと思います。」


その時私は仙人ジイさんのことを思い出していました。

仙人ジイさんが風呂場で倒れて入院し、意識が戻らない、、

というところまでは聞いていましたが。。

次第に魅かれあう孫娘と私の微妙な関係

私は孫娘に仙人ジイさんのことを聞いてみました。

<私、>
「ところでお爺さんの状態はいかがですか?
意識が戻らないと言っていましたが。。
時々ふっと思い出すときがありまして。。
でも、、こちらから電話して容態を聞くのもどうかと思いまして。。」

<孫娘>
「、、変わらないです。。
病院で寝たままの状態です。。
昨日も先生から意識が戻る可能性はほとんど無いと言われました。
もう以前のようにお爺ちゃんとお話しすることは出来ません。。
私、、お爺ちゃんのことがショックなのもそうだし、、
この広い家に一人でいるのも何だかすごく寂しくて。。」

う~ん。。これって、、

魅惑の美女とこんなシチュエーションになるなんて。。

、、しかも正念場の最終月に。。

この前、長井所長に

「女にウツツを抜かすな!」

と言われたけど。。


ダメだッ!この正念場でトキメいている場合じゃない。。

今月はとにかく契約のことだけに集中しろ!


、、と自分の揺れる思いを打ち消したはずの私でしたが、、


<私、>
「元気を出してください。
それではまた飲みにでも行きましょうか?」

、、と、気が付けば孫娘を誘ってしまっていました。。

<孫娘>
「ホントですか!
じゃあ今週中にまた「自由の女神」で飲みましょう!
すごく嬉しいです!
トラさんとお話しすると楽くて時間が経つの忘れちゃいます。。
あっ、、でも今度は遅刻しないでくださいね!
また悪酔いしちゃうから。。」

電話口から聞こえるその甘い囁きに完全に舞い上がっていまい、、

それ以外の事はスッカリ頭から抜けてしまっていました。。

男ってヤッパリ美女には弱い。。

、、ていうか俺だけなんだろうか。。

、、とその時、誰かがトイレに入ってきました。

パワハラ長井所長からの残酷な通達

あわてた私は、

<私、>
「すみません、、誰か来ちゃったんで。。
また後で連絡します、、」

と言って孫娘との電話を切りました。

トイレに入ってきたのは長井所長でした。

<長井所長>
「オイッ!トラッ!
誰と話してたんだ!
お客さんじゃね~だろう、
何だかエラクそわそわしてトイレに駆け込みやがって!」

<私、>
「いえっ、、
お客様です。。
すみません。突然電話で中断してしまいまして。。」

<長井所長>
「とにかく打合せブースに来い!
ちょっと話しするぞ!」

ということで私と長井所長は打合せブースに移動しました。

<長井所長>
「実は伊沢課長の現場でクレームが出てな。
1000万円の改装工事なんだけどお客さんがメチャクチャ細かいんだ。
担当の伊沢課長はもう顔も見たくないって言われちゃったから現場には行けない。
お客さんは誰か建築のわかる人を毎日来させてチェックさせろと言うんだ。
お前は建築士も持ってるし、新築の設計や現場監督も経験している。
だからお前にその現場を見てもらいたい。」

この正念場の最終月間に最悪の通達です。。

しかし断ることも出来ず。。

<私、>
「わかりました。。
しかし私も最終月なので毎日現場に行くというのは、、
しかもそんなに細かいクレーム物件なんて自信がありません、、」

<長井所長>
「とにかく営業所はチームでやってんだよ!
お前だって上田のお客さんの契約をお前にしてもらっただろ!
出来ない理由をさがすんじゃね~んだよ!
とにかくヤルんだよ!」

ということで、、

私はそのクレーム物件の新しい担当者となりました。

その後、伊沢課長とその物件の引継ぎ打合せを行いました。

そして私はそのお客様に挨拶をするべく受話器を取りました。

数コール鳴ったあと、中島さん(仮名)というお客さんとつながりました。

<私、>
「初めましてワタクシ新光クリエイトのトラジロウと申します。
この度、伊沢に代わりましてワタクシが新たな担当として現場を見させて頂きます。」

<中島さん>
「アンタが新しい担当者か?
今度は大丈夫だろうな?
伊沢はホントにひどい奴だった。
契約前だけイイ顔しやがって契約したらとんでもないヤツだった!
このまま問題が続いたらオタクの会社訴えるからな!」

うわ~、、面倒くせ~。。行きたくね~。。

速攻でイヤになってしまった私。。

伊沢課長は営業成績だけは良かったものの、社内での人望はほぼゼロでした。

さらにクレームも結構頻繁に起こしていました。

あまりにもクレームが多発しすぎたため受注禁止になった時期もあったようでした。

営業マンは強引なところもある程度は必要なためクレームはやむ負えない部分もありますが。。

最後の正念場で大きな障壁にブチ当たってしまいました。

しかし孫娘のことも気になってしまう愚かな私。。

次回>>第23話に続きます。

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