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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第25話からの続きです。

意を決して前職のハウスメーカーを退職し、この会社へ転職した当時の私は希望に満ち溢れていました。

しかし、現在8カ月が経過して何の成果も残せていません。

思えばパワハラ所長に翻弄されまくった日々でした。。

いずれにしても、、

あと11日で全てが決まります。

前回孫娘との飲み会の最中にクレームが勃発し、急遽その現場に直行した私。。

何と!現在工事中の406号室直下の306号室に水漏れしていました。




目の前に広がる最悪の光景

私たちは階下の306号室清水さんのお宅の現状を把握したあと

水道設備業者と共に406号室のカギを開けて中に侵入しました。

そして洗面所に辿り着いた瞬間私たちは声を上げました。


なッ!!なんじゃコリャ?!


洗面所は水浸しで池のようになっていました。

しかも洗濯機用の蛇口の辺りから水が噴き出していました。

すぐに水道設備業者がその水が噴き出している辺りの壁をぶち壊しました。

そして壁の中を見ると洗濯機水栓に導いている水道管のツナギ部分から水が噴き出していました。

応急処置を施してようやく水は止まりました。

<私、>
「いや~、、この水道管今じゃ使われていない鉄管じゃないですか?
曲がり部分の役物は銅?か何かですかね?」

<水道設備業者>
「そうですね。。
このマンションは築60年とか言ってましたよね?
古いマンションは何が出てくるかホントにわかりませんから、、
恐いですよね。」

<私、>
「この水道管見てくださいよ!
錆びちゃってて覗いても向こうが見えないですよ!
こんな錆だらけの管を通ってくる水を飲んでるなんてゾッとしますよね!」

水漏れ部分を取出した水道管を横向きにして覗きながら私は言いました。

<水道設備業者>
「まあ、、こういった古いマンションだと仕方ないですけどね。。
でも実際にこの管を見ちゃったらお客さんイヤな気持ちになるでしょうね。」

古いマンションの場合、かなりオリジナルで作られていることが多いです。

図面通りになっていなかったり違う材料で工事されていたり。。

ここ最近のマンション(築30年くらい)であればほぼ問題ありませんが。

そのため古いマンションをリフォームする場合は想定外なことも予想しなければなりません。

今回は水道管が古いタイプの管で、しかも錆びて劣化が激しい状態でした。

リフォーム工事を行えば、当然のことながら振動や引っ張られたりなどの負荷がかかります。

しかし叩いたり引っ張ったりして水道管が破裂するとは限りません。

今回詳細は割愛しますが、そんな様々な理由で古いマンションのリフォームは難易度が高いです。

直下階306号室へ現況を報告

とりあえず水は止まったので、すぐに直下階の清水さんのお宅に報告に行きました。

インターフォンを鳴らすと再び清水さんが出て来ました。

<清水さん>
「どうでしたか?
何だか少し水のボタボタが納まってきたようですが。。」

<私、>
「大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
原因が分かりました。
清水さんの水浸しになってしまった洗面所の上に同じく406号室の洗面所があるのですが。。
そこの洗濯機水栓の水道管が破裂して水が噴き出していました。
現在はそこの管を応急処置して水を止めましたのでとりあえずは大丈夫です。」

<清水さん>
「そうですか。。
このままボタボタが続いたらどうなるんだろう、、
って心配してたので少し安心しました。
しかし階下にまで水が落ちてくるのはナゼなんですか?
306と406の間にはコンクリートの床がある訳ですよね?
それなのにこれだけモロに水が落ちてくるって壁を伝わってるとか?
それとも電気の共用配管の穴とかに水が廻って落ちてくるとか?
いずれにしても原因を知りたいです。
だって直に水が落ちてきている感じですからね。」

<私、>
「はっきり申し上げますと、、
おっしゃる通り、306と406の間にはコンクリートスラブという床板があります。
しかしここ20~30年位の築年数のマンションであれば問題ないですが、、
築50年を超えるような古いマンションですとこのコンクリートスラブがヒビだらけになっています。
築30年くらいのマンションであればコンクリートスラブの厚みも最低200mm程度あります。
しかも建築基準法も毎年改正されていますので呼び強度などコンクリートの質や配筋の詳細も厳しくなっています。
しかし古いマンションの場合はコンクリートスラブの厚さも150mm以下だったりします。
さらに図面通りに工事されておらずいい加減なこともシバシバあります。
コンクリートスラブの厚みが100mmしか無かったり配筋のピッチが甘かったり。。
そういった理由で、このマンションのコンクリートスラブはヒビワレが酷い状態であると推測されます。
コップ一杯の水をこぼしてもそのまま階下のお宅に行ってしまうと思います。」

<清水さん>
「えっ、、そんなにヒビだらけってことですか?
ということは壁とかも含めてこのマンションの構造体はヤバイってことですよね?
あと、その古い水道管というのはどういうモノなんですか?」

<私、>
「残念ながらその通りです。
特に1981年に新耐震基準になったのですが、、
それ以前の旧耐震基準で設計された建物は、

最大震度5を想定して設計されています。

もちろん震度5の地震で必ずその建物が崩壊するとは言い切れません。
しかしそういう前提で設計されていたのは事実です。
当時は震度7や8の地震が来ることまでは想定していなかったのでしょう。
最近は地震以外の台風とかもそうですが想定外のことが多くなってきましたが。。
ちなみに今回破裂した水道管はこちらです。」

と、私は今回の水道管を見せました。

<私、>
「こうして向こうを覗いてみてください。
中が錆びてしまっていて向こう側がほとんど見えないと思います。」

すると清水さんはその水道管を横向きにして望遠鏡を覗くように向こう側を見ました。

<清水さん>
「、、ほんとだ!!
ゲッ!!ヤバいッ!
向こう側がほとんど見えない。。
こんなに錆びまくった水道管を通った水を毎日我々は飲んでいるんですか?」

<私、>
「まあ、、そういうことです。
しかし築年数の古いマンションはたくさんあります。
しかも大規模修繕とかは費用の関係で不可能なマンションがほとんどです。
なので、このマンションだけが特別危険な状態である、、
という訳ではないです。
しかし、こういったことも一応知っておいてください。」

水漏れ被害者への工事会社としての保障は?

とりあえず306号室の被害者である清水さんはとても良い人でした。

普通なら烈火のごとく怒られてまた嫌な思いをするところでした。

しかし、案の定清水さんから質問されました。

<清水さん>
「しかし我が家の洗面所は水浸しになってしまいました。。
天井の壁紙や、、その他、どう保障してもらえるんですか?
もちろんこのままって訳じゃないですよね?」

当然のことながらこのように問いかけられました。

<私、>
「もちろんです。
弊社ではこういった不測の事態に備えて保険にも入っております。
しかし今回の件に関しましては保険を使うかはまだ分かりません。
いづれに致しましても清水さんのお宅は弊社で現状復旧させて頂きます。
工事日程やどこをどう直させて頂くかは本日は遅いのでまた明日にでも打合せさせて頂きます。」

この後もいろいろと質問や文句を言われてしまい結局23:00くらいまで現場にいることになりました。

翌日、今回のマンション工事の依頼者中島さんからも電話がかかってきました。


<中島さん>
「オイッ!
一体どうなってんだよ!
何から何まで最悪じゃんかよ!
水漏れでウチも下の階もビチョビチョだったらしいじゃね~か!
いい加減にしろよ!バカ野郎ッ!」


気の短い中島さんは狂ったように怒りまくり、、

私は電話口で呆然と聞き入るしかありませんでした。。

最近の私はもう完全に契約どころではありません。

しかも階下の清水さんのお宅の現状復旧リフォーム工事まで増えてしまいました。

次回追い打ちをかけるように更なる大問題が勃発します!

次回>>第27話へ続きます。

※ベンチャー企業奮闘記は毎週日曜日更新です!







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