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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第24話からの続きです。

大手ハウスメーカーを退職し、このベンチャー企業に転職して8ヵ月。


あと12日で全てが決まります。


伊沢課長のクレーム客を引き継がされた私は大苦戦を強いられています。

他にも負の連鎖か?いろいろとクレームが勃発し、、

正念場だというのに自分の契約どころではありません。。

そんな中、美女からの誘惑に翻弄された私は、、

またしても自由の女神へと引き寄せられてしまいました。。




孫娘との禁断の飲み会、再び

店の中に入ると

「いらっしゃいませ!」

、、とあの謎の店長がこちらを振り返りました。


<孫娘>
「こんにちわ!
アッ!進ちゃん!
今日はホールに出てるんだあ。」


しっ、、シンちゃん?!


、、と、戸惑いを隠せない私。。


<謎の店長>
「ああ、、どうも。。
こちらにお席を用意しております。
どうぞ!」


、、といって以前と同じ一番奥のブースへと案内されました。


<孫娘>
「ねえねえ、、どうしたの?
珍しいじゃん!
シンちゃんがホールに出るなんて、」


親し気に話しかける孫娘に対し、私に遠慮しているのか?

その店長は孫娘を軽くあしらった後、私たちを席へと案内しました。

その後、孫娘と乾杯を交わして飲み会は始りました。

ふと、私は仙人ジイさんのことを思い出しました。

風呂場で倒れて病院で寝たきりになったと聞いてからは何も孫娘は言ってきません。。


まさか、、亡くなってたら絶対に言ってくるよな?


など考えていましたが、、

あえて突っ込まずに孫娘との飲み会は続きました。

現在の私があと12日しかないのに残り70万円もノルマが残っているという話しをすると、、


<孫娘>
「え~っ!!
そうなんですかあ、、
ヤバイじゃないですか?
ホントにそんなんで達成できるんですか?」


<私、>
「わかりません。。
とにかく毎日毎日クレーム案件でハマっていて。。
負の連鎖、、とでも言いましょうか。。
今、あらゆるクレームが勃発していて。。
しかし、いづれにしても
達成しなければ退職する覚悟は出来ています。
しかし転職活動とか、、もちろんしていません。」


実際にここ最近の私は不可抗力のクレームがあちこちで勃発していました。


長い人生の中でこういう時期ってありますよね。。


<孫娘>
「契約出来そうなお客さんはいるんですか?」


<私、>
「いやっ、、全く。。
担当エリアを未だに持たせてもらってないので、、
良い案件が私に舞い降りてくることはありません。。
むしろ新人なので網戸貼り換えとかのゴミ案件は来ますけど。。」


<孫娘>
「なんか聞いてるコッチがだんだん腹立ってきます。。
トラさん、、絶対に優秀な人なのに。。
チャンスすらもらえないなんて。
そんなパワハラ所長なんていなくなっちゃえばいいのに。。」


開始から一時間が経過。




徐々に孫娘が本領発揮してきました。。




<孫娘>
「ねえ、、進ちゃんのこと気になる?」


<私、>
「、、いやッ、、気になるといいますか。。
前回、優香さんをそのままお店で寝かしてくれていたので、、
相当お親しい間柄ですよね?
親戚の方とかですか?」


<孫娘>
「ふ~ん。。
親戚だと思ってたんだあ。。
違うよッ!何だと思う?」


どうでもいいけど、、


酔っぱらうと色っぽさに拍車がかかって困るんだけど。。

そんな孫娘に魅了された私はこの大事な正念場にもかかわらず自由の女神に引き寄せられてしまった訳です。

酒が入るとイイ感じで色っぽさが倍増する孫娘。。

そんな魅惑のオーラに翻弄されまくっていたその時、

私は幾度となくかかってきている不在着信に気づきました。


何だよ、、イイ感じになってきたのに。。


おそるおそる私は携帯電話の不在着信を確認しました。

そこには、、


『長井所長』


と表示されていました。

しかも十数回もの不在着信が。。




一気に酔いが醒めてしまった私。。




もう飲み会どころではありません。。


おいおい、、マジで勘弁して。。


私は孫娘に


<私、>
「すみません。。
会社から緊急の電話が、、
しかも何回も入ってたんで相当ヤバイ状況かと。。
ちょっと表で電話してきます。。」


と言って一旦私は表に出て営業所に折り返し電話をしました。

するとワンコールで長井所長が出ました。


<長井所長>
「オイッ!
テメーッ!すぐに電話でろよッ!
何してんだ!どこにいるんだ!
大変なことになってんぞ!」


<私、>
「大変なことって。。
一体何が起こったんでしょうか?」


<長井所長>
「オマエが担当している中島邸の下の階の人から電話があった。
水漏れしててボタボタ落ちてくるからどうなってんだって。
とにかく今からすぐに現場に行って状況を確認しろ!」




、、なぜいつもこうなんでしょう。。


私に安住の地は訪れるのでしょうか。。

私と同じ住宅業界を経験したことのある人なら共感して頂けるかと思いますが。。

住宅業界はクレーム産業の王様と言われています。

一般的な内勤系のサラリーマンと違って、いつも臨戦体制でいなくてはいけません。

9:00~18:00までキッチリ働けば土日祝日含めて基本仕事に関わることは無い、、

という業界を羨ましく思ってしまいます。

だから住宅業界でも、、

特に営業マンという業種は離職率が高いのです。

そして異業種で未経験の人でもどんどん採用してしまうのです。


人がいないから。。


そしてその後もいろいろと電話で段取りをしました。

クレームの中島邸の下の住民に電話をかけたり、

担当の水道業者に連絡したり、、

気が付くと15分ほど時間が経っていました。。


ヤッ、ヤバイ、孫娘がまた悪酔いしてしまう。。


急いで席に戻った私は孫娘に、


<私、>
「大変申し訳ありません。。
例のクレーム客の工事しているマンションなんですが。。
階下の世帯に水が漏ってしまったようで。。
すぐにこれから現場に行かなければならなくなってしまいました。。」


<孫娘>
「え~ッ!!
この間は一時間も待たされたのに。。
今度は一時間で行っちゃうの。。
、、私とトラさんって縁が無いのかもね。。」


<私、>
「本当に申し訳ありません。。
ここのお代と次回の分も全て私が払わさせて頂きます。。」


<孫娘>
「いいよ、、別に、、
オゴッテもらうのが目的でココに来た訳じゃ無いし。。
じゃあトラさん行っちゃった後、進ちゃんに付き合ってもらおッ!」


う~ん。。シンちゃん、、気になる。。


しかしどうしようもありません。。

現在ドはまり中のクレーム案件(中島邸)は406号室です。

その階下306号室の住民の清水さんという人から営業所に連絡があったわけです。

ちなみに清水さん宅は現在水浸しになっているとのこと。。


そんなに水浸しって。。どういうことなんだろう?


結局ナントか孫娘をナダメた後、会計を支払った私は、

後ろ髪を引かれる思いで自由の女神を後にしました。

水浸しになった工事現場直下の306号室

現場に到着した時には21:00をまわっていました。

水が漏ってしまっている清水さんのお宅の前に行きました。

インターフォンを鳴らすと清水さんが出て来ました。


<清水さん>
「ウチの上の406号室で工事してる新光クリエイトさんか?
ホントに勘弁してくれよ!
どうなってんだよ!
ウチ水浸しだぞッ!」


<私、>
「大変申し訳ございません。。
しかも夜分にご訪問させて頂きまして。。
状況を確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」


私は清水さんの家の中に入っていきました。

念のために呼んだ水道設備業者も一緒に入りました。

洗面所に行くと、


ナッ!、、なんじゃコリャッ!


その306号室の清水さんの家の洗面所は見事に水浸しでした。

しかも現在も上階の私の現場である406号室からと思われる水がボタボタと。。

しばらくその状態を見た私は、


<私、>
「清水さん、、申し訳ありません。。
状況は確認致しましたのであとは406号室に行って見て来ます。
そしてまた御報告致します。
それでは行って参ります。」


私と水道設備業者は走って階段を上り、406号室に辿り着きました。

そしてカギを開けて中へ侵入しました。

電気を付けて奥の方に歩いて行くと、、


私と水道設備業者はその光景に思わず声をあげました!


「うわッ!なんじゃコリャッ!」


次回>>第26話に続きます!

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ベンチャー企業奮闘記CP2-➀~少数精鋭ベンチャー企業への転職~











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