こんにちわ。トラジロウです!
前回>>第26話からの続きです。
このベンチャー企業への転職は成功か?失敗か?
ここ8ヵ月あらゆる波乱万丈がありましたが。。
いずれにしても、、
あと9日間で全てが決まります。
前回、孫娘とのデート最中に突然のクレーム電話で呼び出された私。
ただでさえ超ヤバのクレーム案件を引き継いで身動き取れない状況なのに、、
さらにその階下の世帯に水漏れするという、、
一体どこまでツイてないのか。。
あと残り9日!長井所長に呼ばれ緊急面談
そんなこんなで、、
もう自分の契約どころではない私は完全に意気消沈していました。
そうは言ってもやることは一杯あります。。
お昼に営業所に戻った私は業者への発注指示書の発行その他、、
営業以外の業務に追われていました。
するとパワハラ長井所長に呼ばれました。
<長井所長>
「オイッ!ちょっと打合せするから応接室へ来い!」
、という事で私は応接室の中に入ってパワハラ長井所長と向き合いました。
<私、>
「何でしょうか?
もうパンパンな状態で、、
正直、契約よりも優先してやらなければならないことが多すぎます!
なので手短にしてもらえますか?
この後もまた現場に戻らなければいけないので。」
<長井所長>
「ほ~お、、
契約も取れてね~くせに忙しいとかヌカシテんじゃね~ぞ!」
ホントに最後までムカつくヤローだな!
ネギライの言葉の一つもネ~のかよ!
どこまでも追い込み口調の長井所長に殺意すら覚えた私でしたが。。
<私、>
「もう私のことは今更どうでもいいです。
意を決して前職を退職し、この会社に転職してきましたが、、
あと9日で結果が出なければ辞める覚悟です。
ただ私が辞めた後に引き継ぐ人が迷惑しないようにしたいだけです。」
冷静かつ無表情に言い放った私の態度に驚いたのか、
<長井所長>
「いやッ、、
別にオマエの邪魔をしようとしてるわけじゃない!
営業所のみんなもオマエを心配してオレにいろいろ言ってくるんだ。。
とにかく今どんな状況なのか整理して話してみろ。」
ということで、、
伊沢課長から引き継いだ超クレーム案件の中島邸が相当ヤバイ状況になっていること。
更にその階下に水漏れしてしまい、住人の清水邸の現状回復工事も至急ヤルはめになったこと、
未だに小さいゴミ案件が相当数きてパンクしていること。
そして元凶の中島邸に引っ張られて他のお客さんの対応が遅れ二次クレームも勃発していることなど、
ドミノ倒しのような負のスパイラルな現状を全て話しました。
突然闇に落とした悪夢のような電話
意外にも珍しくパワハラ長井所長は煽ってきませんでした。
まあ、、
パワハラ長井所長だって私が辞めたら自分の成績に関ってくる訳です。
現状の私は持ち前の処世術を生かして営業所内でかなりの人望があります。
そのため長井所長も私が辞めたら相当気マズイはずです。
仮に私が辞めた場合、本社からヒアリングされて厳しい状況に追い込まれると思います。
だって、、
本来なら辞める可能性が無い新人に何の手も差し伸べなかったこと、
さらに煽りまくって足を引っ張っていたことがバレちゃいますからね!
ということで席に戻った私は引き続き事務作業に追われていました。
すると、、
杉崎事務員が営業所の入電に対応した後、私を呼びました。
<杉崎さん>
「トラジロウさん!
小橋さんというお客様の奥様からお電話です!」
えッ、小橋さん?、、なんだろう?
小橋さんは>>第20話で登場した上田営業マンが私のために200万円の契約をしてくれた時のお客様です。
しかもご主人ではなく奥様から、、
イヤな予感がしましたが、、とりあえず電話に出ました。
<小橋奥様>
「ああ、、トラジロウさんですか?
私、先日リフォーム工事の契約をした小橋の家内です。
実は、、主人が、、
いよいよ入院してしまいまして、、
聞いているかと思いますが主人は末期ガンでして。。
、、本当に申し上げにくいんですが、、
今回のリフォーム契約は解約ということにしてもらってもいいでしょうか?」
、、その時、私は全身に衝撃が走りました。。
突然闇に落とした悪夢のような電話。。
、、とは正にこんな電話のことを言うのでしょうか。。
(※虎舞竜のロードの歌詞より抜粋)
これで完全に私の達成は無くなりました。。
残り9日間で270万円の契約をするのは不可能です。
思えば、、
上田営業マンがあんなに頑張って私のために契約をプレゼントしてくれたのに。。
何だか上田さんにもすごく申し訳ないような。。
この時の私は絶望感で打ちひしがれていて何も考えられない状態でした。
オトコ上田劇場再び!しかし時すでに遅し?!
この時の記憶はほとんどありません。。
あまりにもショックで頭の中が真っ白でした。
小橋奥様の電話越しの声も全く耳に入ってきませんでした。
「トラさん!トラジロウさん!」
その声にフッと我に返った私は周りを見渡しました。
すると後ろで上田営業マンが手を振って私に話しかけていました。
私は受話器を塞いだ状態で上田営業マンに
<私、>
「上田さん、どうしたんですか?」
すると、
<上田営業マン>
「トラさんッ!私が電話変わります!
保留にして受話器を置いてください!」
ということで私は電話越しに小橋奥様に
<私、>
「小橋さま、、
ちょっと、、
少々お待ちいただけますか、、」
と戸惑いながら保留ボタンを押しました。
すると後ろで上田営業マンが受話器を取り
<上田営業マン>
「ああ、、小橋様の奥様、、
お久しぶりでございます!
上田でございます。
先日ご主人といろいろ現在の状況ですとか、、
いっぱいお話しをさせて頂きまして、、」
、と、小橋さんの奥さんに対応してくれました。
そうは言っても、、
もともと小橋さんのリフォーム工事は契約書の特記事項に
ご主人の体調が悪化し入院等になった場合は解約出来る
との文言を入れてリフォーム契約を締結しています。
小橋さんのご主人は末期ガンを患っています。
しかし上田営業マンの男気に惚れ、大ファンでもあるご主人が好意で契約をしてくれた訳です。
一方で奥様からすれば今回のリフォーム工事は特に必要無い訳です。
ご主人がこのような状態になってしまったことで、何か元気になれることはないか?
ということで、
リフォーム工事をすれば大好きな上田営業マンともまた絡めるし気も紛れるだろう
という経緯での契約であったことは明白です。
実際にこういった
「営業マンと顧客の信頼関係や絆」
によって実質的に必要の無いリフォームが契約になるケースはあります。
しかし残念ながら今回は上田営業マンが頑張ってくれても解約を免れることはありません。
これからの私は解約するための書類作成や解約同意書を交わしたり、、
またしても負の仕事が増えてしまいました。。
しかしその後、上田営業マンはじめ他営業所員たちから激励の言葉をかけられ、何とか意欲を取り戻した私。
この200万円の解約の行方は?
そもそもあと残りの契約は?
次回>>第28話に続きます。
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