こんにちわ。トラジロウです!
前回>>第58話からの続きです。
今回の松本邸が契約にならなければ転職する覚悟をしていました。
最後の最後まで劣勢の状況が続きました。。
しかし絶対絶命と思われた最終段階、
お父様の鶴の一声で起死回生の大逆転に転じました。
東京西営業所歴代記録となる2800万円の超高額契約が完了しました。
私はこの会社を辞めて転職することを止めにしました。
月間営業成績が全営業所中トップに!
その数日後、
我が社の月間営業成績表が発表されました。
我が新光クリエイトは首都圏で15の営業所があります。
全営業所に住宅リフォームの営業マンが約100名ほど在籍していました。
営業所長なども含めて役員以外のほとんどの社員が営業社員でした。
もちろん長井所長もプレイングマネージャーですから一営業マンでもあります。
今までの私は毎月70位から90位くらいが定位置でした。
パワハラ長井所長は半年以上経っても私に担当エリアを持たせてはくれませんでした。
そのため100万円以上の契約が見込める好案件が回ってくることはありませんでした。
そんな私が小額の案件から地道に話を膨らませて、、
遂に超大型契約を成し遂げたわけです。
その発表された月間営業成績表の最上位には、
順位 氏名 営業所 契約金額
1位 真山虎次郎 東京西 2920万
2位 中山 大樹 千葉東 1864万
3位 谷重 和弘 城南 1678万
4位 - - -
5位 - -
6位 -
私の名前が刻まれていました。
我が社では全営業マンの順位を記した営業成績表を毎月7日にイントラで発表していました。
歩合給(報奨金)制度の会社でしたが、、
月間トップを取ったからといって
月間トップ賞
という形でお金を貰えることはありませんでした。
しかし私がトップに印字されているこの月間営業成績表は、
今までの努力と苦悩の日々に対する表彰状
として自身の栄誉と心に刻むことにしました。
とにかくあの時の達成感と言いますか、、
何か肩の荷が下りたような、、
そんな安らかな安堵感に浸っていたことを今でも鮮明に覚えています。
しばらく私はこの成績表を時おり眺めては英気を養っていました。
営業マンはモチベーションが大切です。
売れている営業マンは大きく見えるし何か独特のオーラがあります。
もちろんモチベーションも高いです。
一方で売れていない営業マンは実際より小さく見えて少し弱々しく感じられます。
なので常に、
自分は出来る!必ず達成する!
、などと、自分を鼓舞、奮起することが大切です。
私はこの成績表をコピーしてカバンに入れ、
営業のお守り
にすることにしました。
私に限らず当時我が社の営業マンたちは常に自分のモチベーション維持を心掛けていたように思います。
トップ営業マンは勝因・敗因分析を必ずやっている
松本邸の工事請負契約締結から数日経ったある日、
私は変更仕様書や工事日程の説明のため松本邸に来ていました。
リフォーム工事の工事日程を工程表で説明していた時のことです。
松本邸のリフォームは実家のリフォームですが基本は息子様とやり取りをしていました。
この日はお父様も奥の寝室で寝ているようで姿が見えませんでした。
私は松本息子様に尋ねました。
<私、>
「すみません。。
一つ教えて頂きたいのですが、
よろしいでしょうか?」
<松本息子>
「何ですか?
かしこまって、、
別にいいですよ。」
<私、>
「今回ご契約を頂く直前で勝利(松本息子)様は弊社との契約に条件を付けられました。
見積書の数量ミスによる220万円の減額です。
先にお話しした理由で弊社は減額出来なかった訳ですが。。
なので契約にならないと思っておりました。
しかし後日お父様の意向により減額無しで契約をして頂きました。
なぜ減額をせず当初の2800万円で契約をして頂けたのでしょうか?」
すると松本息子様は嬉しそうに笑みを浮かべながら答えてきました。
<松本息子>
「トラジロウさんのそういったところに惹かれたんでしょうね(^-^)
逆に今さらなぜそんな質問をするんですか?」
<私、>
「私は全てが勉強だと思っております。
今回、弊社のミスにより松本様の信頼を大きく損ねてしまう事態となりました。
それなのに弊社と、、しかもなぜ減額無しで契約して頂けたのか?
というのは今後私の営業マン人生において大きな糧になります。
なのでぜひ教えて頂きたいのです。
悪い事でも遠慮なく何でも言ってください。
本音でありのままを教えてください。」
松本息子様は熱く語る私をジッと見つめていましたが、
<松本息子>
「父はほとんど喋ったりしませんが頭の中は意外にシッカリしています。
トラジロウさんが初めて来てくれた時から今までその行動や言動全てを冷静に見ていたそうです。
良いコトだけではなく悪いコトも堂々と客観的に説明してくれたこと。
住宅の専門家であっても素人目線に合わせたわかりやすく丁寧な説明をしてくれたこと。
今回の見積りミスに関しても一切ウソをつくことなく真っすぐに事実を伝え誠実に謝罪したこと。
その他にも父はトラジロウさんについていろいろ私に話してきました。」
<私、>
「そうだったんですね。
お父様はほとんどお話しをされないので気に入って頂けているのか常に心配でした。
そこまで私を分析されていたと今お聞きして驚きました。」
<松本息子>
「そうですね。
やはりミスをした時もそうですが、、
一貫してブレないトラジロウさんの姿勢といいますか、、
私も当初から何かしら信頼感を抱いていましたからね。
知識や経験があるのもそうですなんですが。。
やはり目線やあいづちなど含めて
話し方ってすごく重要だと思いました。
そんなトラジロウさんを見ていて私も大変勉強になりました。」
ということで、、
私としてはいつも通り
勝因分析や敗因分析
をお客様から常にヒアリングして今後の糧にしてきました。
今回の件も大変勉強になったし自分の方向性が間違っていないと確信しました。
そうこうしていると、、
突然深野係長から電話がかかってきました。
<私、>
「はい、もしもしトラジロウです。
今、松本様のところですが、、
どうしましたか?」
<深野係長>
「ああっ!?、そうか、、!
じゃあ、終ったら電話くれる?
実は松本邸に入ってもらう予定だった職人に断られてしまったんだ。。
工期も4ケ月しかないからかなりヤバイ状況なんだけど。。
ああっ!、、ごめん。。
今、お客さんのところだよね!?
とにかく後で電話ちょうだい!」
カッターで胃の中を切られるようなイヤ~な気持ちになった私。。
オイオイ、今度は入れる職人がいない?
ヤバいぞ、、工期は7月末なのに。。
次回>>第60話に続きます。
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