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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第67話からの続きです。

意を決して前職の大手ハウスメーカーを退職後、

このベンチャー企業に転職してきてから

幾度となく絶望の淵に立たされ続けてきた私。。

しかし中山君を起点に広がった様々なご縁から、、

遂に松本邸を無事着工させることが出来ました。

担当エリアもようやく正規のエリアが与えられました。

そのため数百万円規模のリフォーム案件にも携われるようになりました。

ようやく長いトンネルを抜けて明るい兆しが見え始めていました。




ARTコンサルティング

当時、我が新光クリエイト株式会社は精鋭のベンチャーリフォーム会社でした。

社長は新しい発想や合理的手法で業界でも注目される存在でした。

一方でARTコンサルティングというコンサル会社が経営支援に入っていました。

我が社は住宅リフォーム企業です。

しかしコンサルティング会社とはすごいモノで、、

あらゆる業界を分析して即座に経営戦略などを打ち出します。

メチャクチャ頭の良い、いわば頭脳集団です。

なので保険会社でも自動車でも旅行会社でも、、

あらゆるデータ分析などを行い営業戦略や業務改善案などいろいろと提言します。

実際、社長は優秀な人でしたがこのARTコンサルティングの介入があって実績を上げられたことも事実でした。

そのコンサルタントたちは本社で打合せをするため東京西営業所で見かけることはありませんでした。


当時の私は毎週火曜日に日建学院(一級建築士資格学校)に通っていました。

その授業の合間の休憩時間に私は中山君と話をしていました。

<中山君>
「とにかく松本邸が無事に着工できてよかったな!」

<私、>
「いやっ、ホントにありがとう。
お父さんも自ら大工に戻って頑張ってくれたり、、
大工の源さんや一郎さんを連れて来てくれたり。。
中山君も会社を抜けて現場に来てくれたりマジでありがとう!」

<中山>
「まあ、、別にいいんだけど、、
請ける以上は絶対にちゃんと現場を納めなきゃダメだ!
でもオマエんところの工事金額ってマジで安いよ!
今回は特別サービスでやってやるけどよ!」


、と他愛もない話しをしていました。

営業所会議で発表された非情な指令

その翌日は東京西営業所会議の日でした。

19:00からミーティングルームで行われました。

最初にいつも通り今月の営業数字や進捗状況のチェックがありました。

今月の私は400万と600万のリフォーム工事を契約する予定でした。

他にも深野係長が800万円、上田営業マンが550万円など、、

めずらしく営業所の達成がほぼ確実な状況でした。

そのため一時間以内に営業所会議が終わりそうな雰囲気でした。
(営業数字が悪いと会議が長くなります(-_-;))

最後に長井所長が、


<長井所長>
「最後に重要なことを発表する!」


、と、少々重苦しい表情で発言しました。

なんだっ、なんかイヤな予感がするけど。。

営業マンたちはいっせいに身構えました。

<長井所長>
「最近全社的に利益率が大幅にダウンする傾向がある。
この事を本社ではすごく問題視している。
特に500万円以上の改装工事で顕著に見受けられる。」


補足で簡単に解説しますと、、

大型リフォーム工事の場合は小工事と違って難易度が高いです。

たとえば工事中に追加や仕様変更などが発生します。

時には不可抗力で利益が削られることもシバシバあります。

なのである程度の予備費をみておかなくてはなりません。

しかし大型リフォーム工事の場合は何社も競合します。

ケッコウな値引きをして無理やり契約することもあります。

そのため会社の規定では完了時粗利(利益)が30%なのですが、、

最終完了時粗利10%

場合によっては赤字に転落

などのケースもあったりします。

最近では他の営業所でも大型リフォーム工事の完了時粗利が大幅にダウンしていました。

<長井所長>
「、ということで今後は予備費を5%以上取るルールにする!
すでに契約している案件は各業者に5%の値引きを要請するように!
そして業務発注書を再発行して渡すように!
来週の営業所会議までに実行してくれ!」


それを聞いて私はとっさに質問しました。


<私、>
「長井所長!
ちょっとお聞きしたいのですが。。
ということは私の松本邸も対象ですか?
既に中山工務店さんと決定している発注金額から5%減額しろということですか?」

<長井所長>
「そういうことだ!
中山工務店は発注金額が1450万だから70万円負けてもらってこい!」


私の頭の中でイナズマが光りました。


オイオイ、、ふざけんなよ!

そんなこと言えるわけね~だろ!


あまりのショックでそれ以上言葉を発することが出来ませんでした。

現場を知らない上層部からのトップダウン

まわりの営業マンたちも沈黙したままジッと長井所長を見つめていました。

<長井所長>
「とにかく本部で決まったことだ!
異論があるなら本部に直接言えっ!
実際に利益率が下がってるんだから仕方ないだろ!」


すると正義感の強い上田営業マンが、

<上田営業マン>
「現場の苦労を知らない上層部が机上の空論だけでそんな
トップダウン
で命令してくるのは納得出来ないです!」

と強い口調で言い放ちました。

しかし、

<長井所長>
「オイッ、上田!
会社とはそういうものだ!
時にはトップダウンで指令を下すこともある!」


その後も場の雰囲気は最悪な状況になりましたが長井所長は、

<長井所長>
「以上っ!!
今日はこれで終わりにする!
ちゃんと今日言ったことは実行しろ!」

と言って営業所の外に出ていきました。


もし皆さんが会社員であれば分かると思いますが。。

なぜ会社ってこういった

トップダウン

があるんでしょうか?


その日の夜、

日建学院(一級建築士資格学校)の課題について相談しようと思った私は中山君に電話しました。

<私、>
「ああ、、中山君?!
建築法規の避難規定のところなんだけど、、」


という感じでしばらくは日建学院(一級建築士資格学校)に関する話しをしました。

しかしトップダウン指令である値引きの話しを切り出すことがどうしても出来ませんでした。


今までこんなに一生懸命協力して頑張ってくれてるのに。。

上層部に言われたからもっと値引きしろなんて絶対に言えね~。。



翌日、私は長井所長の席の前にいきました。

<私、>
「長井所長!
ちょっとよろしいですか?」

長井所長はこちらを見ず、パソコンを打つ手を休めることもなく、

<長井所長>
「なんだっ!?
減額した業務発注依頼書を回収してきたのか?」


その心無い態度に怒りを覚えた私は、


<私、>
「いえっ、、
誠心誠意よくやってもらった業者にそんなことは言えません!」

<長井所長>
「なんだとっ!
これは本社からの命令だぞ!
とにかくヤレっ!」


その瞬間、、

怒りが頂点に達した私は長井所長を鬼の形相で睨みつけていました。

次回>>第69話に続きます。

※ベンチャー企業奮闘記は毎週月曜日更新です!







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