こんにちわ。トラジロウです!
前回>>第69話からの続きです。
トップダウンで理不尽な値引交渉をするように命じられました。
しかし無理して工事を請けてもらっている中山工務店に値引きの強要など絶対に出来ません。
今まで長井所長は度重なる非人道的態度を続けて来ました。
そして遂にブチ切れた私は営業所内で大音量の雄叫びを上げました。
そんな中、ずっと気になっていた黒いスーツの男が私に突然謝ってきました。
そもそも誰なのかもわからず、、
突然謝られる意味もわからず。。
経営コンサルタントの謝罪理由
営業所に戻ってきた私は車を駐車場に停めて外に出ました。
すると、黒いスーツの男が近づいてきて挨拶されました。
本社にしかいないはずのARTコンサルのコンサルタントでした。
彼は昨日、私がブチ切れて大音量の雄叫びを上げたシーンを見ていました。
そのARTコンサルティングの吉住氏は、
<吉住氏>
「トラジロウさん。。深野係長からいろいろとお話しを聞きました。
なので現場の大変さとかいろいろ理解出来ました。
この度は大変申し訳ありませんでした。」
<私、>
「すみませんが、、
全く意味がわかりません。。
弊社を担当している経営コンサル会社のコンサルタントの方ですよね?
そもそも本社にしかいない人だと思ってました。
弊社が精鋭のベンチャー企業として成果を出せているのはARTコンサルティングさんの功績が大きいと認識しています。」
<吉住氏>
「さすがトラジロウさんです。
ほとんどの御社の社員の方は我々の存在を知りません。。
というか気にもしていません。
なのでちゃんと分かってもらってるだけでも嬉しいです。」
<私、>
「私の前職は大手ハウスメーカーでした。
そこで約8年間あらゆる経験をしました。
しかしいろいろと非合理的なことや理不尽なことが多かったです。
だから転職する時はすごく慎重にいろいろ検討してこの会社を選びました。
だからARTコンサルティングさんのこともよく理解しています。」
<吉住氏>
「なるほど。よくわかりました。
今回の業者に対しての値引き要請の件はトップダウンではありません。
最近、利益率が下がっているとの相談を長井所長から受けました。
なので私なりに分析検討して少し各業者さんに協力値引きをお願いする案をお伝えしたのです。」
<私、>
「本来は本社会議室でのトップ会合にて方針を決めますよね?
そしてその決定事項を各営業所などの下層組織へと通達すると思います。
一般的にそれをトップダウンと言うわけですが。。
でも今回は吉住さんが直接長井所長と話して決めたのですね?」
<吉住氏>
「そうなんです。
御社の社長さんが、
現場を知らない本社のトップ会合だけで机上の空論をするのはやめよう
とおっしゃいました。
そこで今回、各支店に私たちARTのコンサルタントがそれぞれ出向いて各所長さんと直接やり取りをすることになったのです。」
<私、>
「なるほど、、そういうことだったんですね。
だから本来いないはずのコンサルタントの方がいらしたんですね。
なんだあ、、
長井所長、いかにも本社からの指令のような言い方をしてたけど、、
自分が指令を出してたんじゃないですか。。」
<吉住氏>
「まあ、、私がこんなことを言うのは何ですが。。
長井所長は最近営業所の成績が悪く本社に目を付けられていて大変っぽいです。。
責任者の方々も苦労が絶えないんじゃないでしょうか。」
といった感じで、、
いつのまにか経営コンサルタントの吉住さんと仲良くなっていました。
そこでいろいろと当社新光クリエイトのことについて話しました。
<私、>
「そもそも私は理不尽や非合理性に嫌気がさしてこの会社に転職してきたのです。
しかし、
【転職はその配属先が全て】
と言いますが。。
せっかくARTコンサルさんが入って精鋭のベンチャー企業なのに、、
運悪く長井所長の元に配属された私は、
未だに昭和から足を踏み出せていないような泥臭い状況
でずっと働いてきました。」
<吉住氏>
「ぶっちゃけ言いますと。。
長井所長は確かにちょっと昔気質な印象はうけます。
もちろん私は部外者で経営コンサルといった立場なので特に不都合はありませんが。。
トラジロウさんにツラくアタルっていうのは分かる気がします。」
<私、>
「結局同じ仕事をするにしても、、
この人の下でならマジで頑張ろう
ってなるのか、はたまた、
いくら定時で帰れてもこの上司の下だけは絶対嫌だ!
となるかではモチベーションも仕事の成果も大きく違ってきます。
本当に実力のある責任者は部下が自発的かつヤリガイを持って仕事に従事できる雰囲気作りがうまいです。」
<吉住氏>
「その通りです。
良い上司の元で働くと、
働かされている!
という感覚は無くて
気が付いたらこんなに働いてしまった!
となって部下の士気が高まりチーム全体が一貫してプラスに転じます。」
そんな感じで気が付けば営業所の駐車場で一時間以上も話してしまっていました。
経営コンサルタントからの意外な言葉
その後、我々は居酒屋に移動して朝まで飲み明かしました。
もちろん長井所長には内緒です。
吉住さんは空気がメチャクチャ読める人なのですごく安心でした。
それから数日経って長井所長から声をかけられました。
<長井所長>
「オマエッ!
オンナ好きだよな!?」
<私、>
「はっ?!何なんですか?!
いきなり意味がわからないですけど?
何なんですか?その質問は?」
<長井所長>
「いやっ、、オレがよく行くスナックがあるんだけど。。
そこはカワイイ子がいっぱいいるから、、
今夜一緒に行くか?」
何を言ってんだ?
いきなりオンナ好きとか失礼だろ!
一瞬わけが分からず戸惑いましたが、、
もしかして少し歩み寄ろうとしてるのか?
だけど不器用だからこんな感じでしか誘えないんだろうか?
私は初めて長井所長とその夜飲みにいくことになりました。
長井所長が連れて行ってくれたスナックは、
【愛花夢】
というヤンキー系の若いホステスが5~6人いるスナックでした。
そこでも長井所長は、、
<長井所長>
「オイッ!みんな見ろ!
コイツ、トラジロウっていうんだけど、
スケベそうな顔してんだろ!」
、と上機嫌で酔っぱらいながら、、
ホステスたちの前で私を常にイジッていました。
オイオイ、、なんなんだよ。。
ここでもこんな感じかよ!超つまんね~んだよ!
とは思いましたが、、
そうはいっても長井所長がせっかくスナックに連れて来てくれてる訳ですから水を差すわけにもいかず。。
とりあえずはスナック嬢も巻き込んで長井所長と飲んでいました。
、と突然携帯のランプが光っているのに気付きました。
誰だろう。。
携帯の画面を見ると見慣れない番号が映っていました。
私はスナックの外へ出て折り返し電話をしてみました。
5から6コールほど鳴ったあと繋がりました。
<私、>
「もしもしトラジロウと申しますが、、
先ほどお電話をもらっていたみたいで、、」
すると受話器の向こうから明るい声で、
<吉住氏>
「夜分にすみませんね!
吉住です!
ARTコンサルティングの吉住です!」
<私、>
「ああっ!吉住さん?!
この間はどうも!
どうしたんですか?」
弊社担当の経営コンサルタントの吉住さんが私に電話してくる意味がわかりません。。
確かにこの間は大変盛り上ったあげく朝まで飲み明かしてしまったわけですが。。
すると吉住さんは意外な言葉を口にしました。
<吉住氏>
「実はトラジロウさん!
経営コンサルタントに興味ありませんか?
トラジロウさんのような現場も熟知していて話し上手な方を今探してるんです!
近いうちにお時間取ってもらえますか?」
えっ!?転職スカウト??
次回>>第71話に続きます。
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