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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第85話からの続きです。

転職してきたイケメン部下に翻弄される私。

上司の私に様々な女性から高橋の居場所を尋ねられ、

「オレは高橋のマネージャーじゃねえ!」

と心の中で思わず叫んでしまうことも。。

そんなある日、高橋から私の携帯に電話がありました。




体調不良で音信不通の部下と私

<高橋>
「真山リーダー、すみません。。
ちょっと体調が悪くて、、
しばらく休ませてください。」


<私、>
「何だ?!どうした?!
体調って、、どこが悪いんだ?
急に休むってオマエのお客さんは大丈夫なのか?
あの若奥様からもオマエに会いたいって催促されてるぞ!」




しかし、、




その後、高橋は会社に来なくなってしまいました。


高橋は自由奔放なところはありましたが、、

決してダメな人間ではありませんでした。

人の話しを澄んだ目でジッと聞くところがあったり、

私も含めてお客様や営業所員たちから大変好印象でした。

彼は我が社に転職してきてから2か月ほどでしたが、

既に契約件数は10件を超えていました。

新人営業マンとしてはソコソコの位置にいました。

なので私は不安でした。


今携わっているお客さんたちには何と言ってるんだろう。


新築・リフォーム問わず、


住宅営業マンは顧客とのシガラミが多々あります。


いつ何が起こるかわかりません。

もし何かあれば即座に対応しなくてはなりません。

そうしなければ、


引渡しが間に合わなくなったり、


大きなクレームに発展したり、


など、大変なことになってしまいます。

なので我々は常に携帯電話を手放せません。

休日出勤を余儀なくされることもシバシバあります。

今回の高橋のように、


何日も休んで音信不通


ということは到底不可能です。

私はすごく不安でした。なぜなら、

高橋が連絡不通のため彼の顧客から上司の私に


ガンガン電話がかかってくるのではないか?


と考えていたからです。

しかし個々のお客様の状況については担当営業マンでないとわかりません。

なので高橋のお客さんのことは高橋でないとわかりません。。


そんな中、

長井所長に呼び出されました。


<長井所長>
「オイッ、トラジロウ!
高橋はどうした?
いつ会社に出てくるんだ?」


<私、>
「いやっ、、わかりません。。
体調が悪いから休むって電話で言ってきて、、
そこからは音信不通状態です。」


<長井所長>
「、、っていうか、、
竹内さんっていうお客さんが困って電話してきたぞ!
たまたまオレが出て対応したんだけど、
どうしても高橋に会いたいって。。
何かすごい色っぽい感じの声だったけど。。
何者なんだあの奥さん?
クラブのママとかじゃね~よなあ?
オマエが高橋に引き継いだ客だろ?」




えっ?!今度は営業所に電話してきたのかよ。。


よっぽど高橋に惚れちゃったんだな。。




しかし長井所長に余計なことを言うとさらに面倒になるので、


<私、>
「いやっ、、大丈夫です。
とりあえず彼はまだ転職してきたばかりの新人です。
なので50万円以下のリフォーム工事しかやらせてないので。
もしも何かクレームでもあれば私が対応します。」


ということで長井所長との打合せを終えました。

気怠い表情で物思いにふける杉崎事務員

数日後の午前中、

私は営業所で事務作業をしていました。

通常、営業マンは現場や客宅に直行していることが多いです。

なので午前中は営業所内にほとんど営業マンはいません。

営業所内は私と杉崎事務員の二人でした。

こういう状況の時は必ず杉崎さんが私にお茶を入れてきてくれて世間話をしたりするのですが。。

この日は全く杉崎さんの気配がしませんでした。

なので逆に私が杉崎さんのいる受付ブースに行きました。

すると、、

いつも明るい杉崎さんが気怠い表情で呆然と外を眺めていました。


<私、>
「杉崎さん!どうしたんですか?
何か考えごとでもあるんですか?」


<杉崎さん>
「えっ?!、、ああっ、、
ごめんなさい。。
何だかボーッとしちゃってましたね。。」


<私、>
「杉崎さんがこんな気怠い表情で物思いにふけってる姿って滅多に見れないんで。。
スゴク心配になっちゃいますけど。。」


<杉崎さん>
「いやっ、、ごめんなさい。。
本当に大丈夫です!
ただ単にボーッとしてしまいました。。」


その後はいつも通りに戻った杉崎さんと30分くらい世間話しをしていました。


私は話をしながらあることを思い出していました。


杉崎さん、高橋と富士急に行ったんだよな?


まさかアイツ、、彼女とも。。


しかし彼女に直接その話題を振る訳にはいきません。。

もちろん私は何も知らないことになっていますから。

そうこうしていると、、


<杉崎さん>
「そういえば、
高橋さんって最近ずっと休みですけど。。
何かあったんですか?」


やっぱり高橋のことが気になってたんだな。


アイツ杉崎さんにも連絡とかしてないんだろうな。


頭の中でいろいろと試行錯誤した私でしたが、


<私、>
「最後に電話で話した時には体調不良って言ってましたね。
でも本当かどうかはわかりません。
自分が電話しても出ないから、、
完全に音信不通って感じですね。
彼はお客さんソコソコ抱えてるからすごい心配だけど。。」


<杉崎さん>
「真山リーダーの電話にも出ないんですね?
じゃあ、、本当にどうしたんだろう。。」




う~ん。。こんな杉崎さん見たことないぞ。


オレもこんな可愛い子に心配されてみたい。。




その後15分くらいすると長井所長が帰ってきました。


そのため私と杉崎さんは世間話を止めてお互いの業務に戻りました。




私は高橋が会社は休みにしているものの、

実際には多少動いているような気配を感じていました。

なぜなら10件以上の顧客を抱えているにもかかわらず、


ほとんど高橋あての連絡が無かったからです。


もし彼が完全に全てをシャットアウトして休みにしていれば、


もっとガンガン彼の顧客から連絡が来るはずです。


でも実際に高橋あてに連絡がきたのは、


高橋と一夜を明かした妖艶の若奥様、


キャバ嬢の花蓮と桜、


高橋に強い執着のある元妻、


といった高橋をホストとして見ている?女性からの連絡だけでした。

なので実質的なリフォーム関連の顧客に対しては、

キッチリと対応をしているだろう

と思っていました。

その日の夜、

私は早めに仕事を終えて帰路につきました。

するとその車中で携帯電話が鳴りました。

携帯の画面には


高橋携帯


と表示されていました。


私は車を停めて電話に出ました。


<私、>
「オイッ?!、高橋!!
どうして全然連絡が通じなかったんだ?
みんな心配してるぞ!」




次回>>第87話に続きます。

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