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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第87話からの続きです。

転職してきて約3か月、部下で新人の高橋でしたが、

2週間以上会社に来なくなってしまいました。

しかしようやく2週間と3日ぶりに出社してきました。

高橋と面談をして事情聴取を行いました。

そして会社をずっと休んでいた理由がわかりました。

しかしそれは高橋のキャラをよく知る私には理解できても、、

一般的には少々理解に苦しむ内容でした。




部下と事務員の禁断の関係

営業所内のミーティングルームで高橋と面談をしていた訳ですが、

ふと気が付くと、、

事務の杉崎さんが立っていました。

杉崎さんはジッと高橋を見つめたあと、


<杉崎さん>
「高橋さん。。
すごく心配してましたよ。。
ホントに、、ホントに。。」


と言葉に詰まったまま、、

彼女の眼は涙で潤んでいました。

こんなに取り乱して、、

こんなに感情移入した杉崎さんを見たのは初めてでした。

杉崎さんは当時23歳で既婚者でした。

彼女は現代だったらAKB48とかにいそうな、

すぐに会いにいけるアイドル

、といった感じのタイプでした。

私もこの会社に転職してはじめて彼女を見たとき、

あっ、事務員さんカワイイ!

と素直に思いました。

私ともよく話しをしましたが、、

いつも落ち着いていてゆっくりと話をするタイプでした。

なのでこんなに感情を前面に出して取り乱した姿を見るのは初めてでした。

私は本当に驚かされてしまいました。。

オンナは男でこんなにも変ってしまうものなのかと。。

高橋は今まで私の周りにいないタイプでしたが、

私は彼のことが好きでしたし高く評価していました。

でも、、


妖艶の若奥様と一夜を明かしてしまったり、、


杉崎さんとも深い関係にあるでしょう。。


ということは社内不倫ということになってしまいます。

私はショックでした。。

いつも気さくに話していた杉崎さんが、

結婚してるしそんな軽い感じの子じゃないはずなのに。

まさか高橋と社内不倫をしてしまうなんて。。

男と女は理屈じゃないといいますけど、

そして永遠のテーマともいいますが。。

本当に難しいと痛感させられました。

もちろんこのことは私しか知りません。

私は仕事以外のことには基本的に介入しない主義でした。

なので、

<私、>
「高橋ッ!これで事情聴取は終わりだ!
俺だけじゃなくて杉崎さんもこんなに親身になって心配してくれてんだ!
もうこれからは迷惑も心配もかけるなよ。
今までの分を取り戻すように頑張ってくれ!」

と言ってミーティングルームをあとにしました。

残された2人はしばらく出て来ませんでした。

あの後2人はいったい何を話していたのでしょうか?

餅は餅屋?迷走する部下の心情

それから約1カ月が経過しました。

高橋もあれからは休むことなく仕事に従事していました。

一度だけ、、

高橋の元妻と思わしき人物を営業所の駐車場で見かけました。

別れても高橋のことが忘れられないのでしょう。

しかし高橋はこの元妻をストーカーだと恐れていました。

なので高橋にはあえて言いませんでしたが。。

今は以前のように営業所にこの元妻から電話がかかってくることもありませんでした。

私は高橋が軌道にのって今後ますます頑張っていくだろうと思っていました。

ある日の昼下がり、

高橋が私に話しかけてきました。

<高橋>
「真山リーダー!
話したいことがあるんでお時間を頂戴しても大丈夫ですか?」

ということで、、

その日の夜、私と高橋は居酒屋に行きました。

まさか会社を辞めたいとか言うんじゃないよな。。

何となく私はイヤな予感がしていました。

最初の30分ほどは特に当たり障りのない雑談をしていました。

そして1時間近く経ったとき、

<高橋>
「リーダー!、実は私、、
住宅業界はちょっと合わないって思ってまして。。」

<私、>
「オイオイ、、何を言いだすんだ!
高橋は冷静に見て優秀な営業マンだと思うぞ!
以前、長井所長もそう言ってたぞ。
なんでそう思うんだ?」

<高橋>
「この会社に転職してきて4カ月経ちました。
私は今まで飲食業界一筋でやってきた人間です。
なのでリーダーのように建築の知識も全く無いし、、
営業も全然ダメだと思いました。」

<私、>
「何を言ってるんだ!
住宅業界でもこのリフォーム業界は未経験者が結構いる。
経験者は半分くらいだ。
経験者でも建築知識や営業センスが無いヤツは多い。
だからオセジ抜きでオマエは優秀なほうだ!」

<高橋>
「ありがとうございます。
リーダーにそう言ってもらえると嬉しいです。
でも、、すみません。。
もう決めたんです。、実は、、
前職の仲間が新規で店をオープンするんで。。」

<私、>
「引っ張られてんだな?
それじゃあオレに相談って言っても、、
実際はもう仲間の店で働くのが決まってるってことだな?」

<高橋>
「リーダー。。本当にすみません。。
いろいろ親切に教えてもらったこと忘れません。
無断で休んだ時もしっかりフォローしてくれてたり。。
何よりも私が悪いのにいつも話をちゃんと聞いてくれて、、
すごく感謝してます。」

<私、>
「、、でも決めたんだろ。。
だったら引き留めても無駄だよな!
正直、、すごく残念だけどなあ。。」

<高橋>
「いやっ、リーダーを見ていて思ったんです。
餅は餅屋って言いますけど。。
やっぱりリーダーは住宅のことも営業も、、
マジでスペシャリストだなって思いました!
だから私も本来の自分の餅屋は何かって考えまして。。
私にそれを気づかせてくれたのはリーダーです。」

<私、>
「オマエって本当にホメ上手だよなあ。。
でも、素直に嬉しくなっちゃうんだよなあ、
オレは高橋の営業センスは高いって思ってるよ。
まあいいや、、わかったよ。」

ということで高橋との飲み会は深夜まで続きました。

彼の決意は固く、、

その後、

約一週間後に高橋の退職が決まりました。

実際にこの会社での離職率は非常に高く、、

転職してきて2年以上在席した社員は1割ほどでした。

それだけ住宅業界の営業マンは厳しいのです。

特にこの会社は歩合給率が高いため基本給が低い訳です。

なので頑張ろうと思っても物理的に生活が出来ず退職。。

というパターンもあります。

私はふっとあることを思い出し高橋にたずねました。

<私、>
「そういえば、、
杉崎さんはどうすんだ?
杉崎さんは既婚者で高橋は彼女と同棲してるわけだが。。」

高橋はジッと一点を見つめたまま、、

ずっと黙り込んでいました。

次回>>第89話に続きます。

※ベンチャー企業奮闘記は毎週月曜日更新です!







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