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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第90話からの続きです。

東京西営業所飲み会の翌日、

長井所長が所員全員に声をかけてきました。

「杉崎さんが会社を辞めることになった!」

私たちは大変衝撃を受けました。

なぜ急に退職することになったのか。。




杉崎事務員退職の謎

長井所長から杉崎さんが退職すると聞かされ


<上田営業マン>
「何でですか?!
最近、、何か調子悪そうでしたけど。。」


<中里営業マン>
「体調不良って、、
癌とか、何か悪い病気ですか?」


、と、長井所長に所員から様々な質問が飛びました。

すると、、


<長井所長>
「いやっ、、悪い話しじゃないんだが。。
彼女、妊娠してるそうだ。」


<上田営業マン>
「マジっすか?!
じゃあオメデタですね?
でも、なんで挨拶もせずにイキナリ退職なんですか?
なんか杉崎さんらしくないですけど。。」




上田営業マンがそう言う理由が痛いほどわかりました。

杉崎さんは本当によく出来た人でした。

ルックスはもちろんですが、、

外見だけではなく内面もすごく良く出来た人でした。

われわれ営業所員のことを常に気づかってくれていて、

年令こそ23歳と若いですが、


東京西営業所の母


と言われるほど、


彼女無くしてこの営業所は成り立たない


といった存在でした。

なので、そんな杉崎さんが何も言わずに退職するなんて信じられないことでした。

営業所員たちはすごく不思議がっていました。

しかし、、


私と柳沼主任だけは本当のことを知っているわけです。


私はその夜、柳沼主任と飲みに行きました。


<柳沼主任>
「でも、、みんな知らないから不思議がってますよね。
あの杉崎さんが何も言わずに辞めちゃうなんて。。
でもこれって、、
絶対に高橋君との不倫が原因ですよね?」


<私、>
「まあ、、そうでしょうね。
でも妊娠ってことは旦那と高橋のどっちの子か?
ってことがすごい気になるけど。。」


<柳沼主任>
「オレもそう思いますよ!
あの杉崎さんが黙って辞めちゃうなんて、、
高橋君とのことが大きく関係してると思う。」


<私、>
「そうだよなあ。。
普通に妊娠しただけなら単純に嬉しい話しなわけで。。
高橋の子供を妊娠しちゃった可能性があるから黙って辞めちゃうのかなあ。」




そんなこんなで、、




その後も夜遅くまで柳沼主任と飲んでいました。

そしていつも通り、、

だいぶお酒が回ってくると、




<柳沼主任>
「でも、、
オレはどうしようもない人間なんです




うわっ、、また始まったよ。。


柳沼主任の悪いクセが。。




柳沼主任はまたしても酔っぱらって自暴自棄になってしまいました。

これは一種の酒乱?

、と言えるのかもしれません。

カラんだり泣き出したり、、

そういった一連の行動であれば酒乱だと断定できるのですが、、

しかし柳沼主任の場合そういったことはありませんでした。

彼の場合、完全に酔っぱらうと、


「オレはどうしようもない人間だ!」


といって自暴自棄になってしまうのです。

結局その日は柳沼主任が豹変してしまったため飲み会を打ち切りにしました。

年上で先輩でも今は頼れる部下

結局、杉崎さんはそのまま会社に来ることもなく。。

ヒッソリと退職してしまいました。

高橋といい杉崎さんといい、、

どうであれ大好きだった二人が急にいなくなってしまうと、、

さすがの私も気分がスグレナイ日々が続きました。

さらに私はいろいろと問題を抱えていました。


ユニットリーダー


という一般企業であれば管理職という立場になって、

自分の事以外の、


部下の同行やフォロー、チームの営業数字など、、


あらゆることに時間を取られて相当マイっていました。

まあ、大多数のサラリーマン管理職の人はそうなんでしょうけど。。

特に自分の営業活動がほぼストップしてしまい、

現状3カ月連続で私個人の目標数字が半分も達成出来ていませんでした。

プレイングマネージャーのツライところでもありました。

このままいくと、


降格および減給


になってしまいます。

しかし皮肉なことに、

こういう状況になるといつも以上に案件にも恵まれなかったりします。

忙しい中、いくつか勝負案件に行ってはみたものの、、

競合負けや計画中止など、

とにかく契約から遠のいている感じでした。


運にも見放されたか。。


そんなある日、


<柳沼主任>
「真山リーダー!
私のお客さんに同行してもらえませんか?」


<私、>
「えっ、?!、何を言ってるんですか?
柳沼主任に私が同行?!
そんな冗談はやめてくださいよ!」


<柳沼主任>
「いや、、実は、、
真山リーダーはこのままだと降格と減給になってしまいます。
現状あらゆるシガラミを抱えていて自分のことが全く出来ていない。。
だからオレの案件を譲りたいんです。
500万くらいの請負金額なんですが多分契約になります。
でもお客さんが技術系で細かい人なんでオレには厳しいから、、
真山リーダーにチェンジしてほしいんです。」




柳沼主任、、ありがとう。。




私は胸の奥に何だかアツいものがこみあげてきました。

柳沼主任は本当に面白くて営業所の人気モノでした。

私より社歴も長く年も5歳上でした。

肩書上は私の部下といった立ち位置でしたが、、

でも彼はいい意味で欲が無い人でした。


<私、>
「柳沼主任、、本当にありがとう。。
でも、、大丈夫なんですか?
柳沼主任の営業数字のほうですけど。。」


<柳沼主任>
「全然大丈夫ですよ!
トラちゃんにくらべればね!
でもトラちゃんは今月未達成だとマジでやばいでしょ?」




ということで私は柳沼主任の好意をありがたく受けることにしました。

こういった案件を所員同士でやりくりすることを長井所長は大変嫌っていました。

なので、


柳沼主任が対応出来ない難客を上司の私が引き継ぐ


という名目で担当者変更を行いました。

おわかりかと思いますが、、

私と柳沼主任はそういった、


年上で先輩!でも今は頼れる部下


といった微妙な関係のため、


敬語で話したり時にはタメ口になったり


すごく面白い関係でした。

私はこの柳沼主任に入社の時から本当に助けられてきました。

私は彼を大変信頼していました。




その翌日、私は柳沼主任と同行で、


請負金額500万円のお客様


のお宅を訪問しました。

インターフォンを押すと、

すぐにお客様が出てきました。

ちょっと芸術家風で気難しそうな雰囲気に圧倒されながらも、


<私、>
「黒沢様、はじまめして。
ワタクシ、柳沼の上司の真山と申します。
よろしくお願い致します。」




すると、、

黒沢様は何も語らずケゲンそうな表情で、、

私と柳沼主任の顔を交互にジッと見つめていました。


なんだこの人?!。。大丈夫か?!


直感的に私はこのお客様には何らかの問題があると感じました。


次回>>第92話に続きます。

※ベンチャー企業奮闘記は毎週月曜日更新です!






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