こんにちは。トラジロウです!
前回>>第92話からの続きです。
この会社に転職してきてから約2年間。
何度も窮地に追い込まれてきました。
そのたびに首の皮一枚で何とか這い上がってここまで来ました。
しかし今回は減給・降格ギリギリの崖っぷちに立たされました。
柳沼主任の譲ってくれたお客様で起死回生か?
と思われましたが、、
起死回生の契約が一転解約に?!
柳沼主任と飲み明かした翌日。
私は代休を取って昼過ぎまで寝ていました。
すると長井所長から電話が、、
<長井所長>
「オイッ!トラジロウ!
昨日契約した黒沢さんって客から電話があって、、
やっぱり解約したいって言ってるぞ!」
何となくイヤな予感はしてたけど。。
でも何で解約なんだ?!
私は頭の中が真っ白になりました。
今回、柳沼主任から譲ってもらった黒沢邸は請負金額500万円の大型案件です。
この契約のオカゲでギリギリ私は減給と降格を免れるはずでした。
我が社は歩合給率が高いサバイバルな会社です。
なので一定のノルマを達成しないと管理職でも降格や減給になります。
ただ、、それはそうとして、
今回の黒沢様の契約に関してはいろいろと不安を感じていました。
とりあえず私は柳沼主任に電話をしました。
すぐに柳沼主任がでました。
<柳沼主任>
「もしもし!、柳沼です!
リーダーどうしたんですか?」
<私、>
「柳沼さん!、、すみません。。
実は、さっき営業所に黒沢様から電話が入って。。
今回の契約は解約させてくれって。。」
<柳沼主任>
「、、、、。。。。」
<私、>
「柳沼さんっ?!
どうしたんですか?!
聞こえてますか?」
電話口で黙ったまま何も語らない柳沼主任。
その後も沈黙が続いたまま。。
電話は切れてしまいました。
その後、何度か柳沼主任に電話をかけてみるも、
おかけになった電話番号は電波の届かない場所にあるか。。
と音声アナウンスが流れるだけの状態に。。
いったいどうしたんだろう。。
全く訳がわからないんだけど。。
私は何がどうなっているのか全く理解できず、、
不安で一杯になりました。
続いて私は黒沢様に電話しました。
10回以上コールしても出て来ません。
13回目くらいになると、
おかけになった電話番号は電波の届かない、、
と柳沼主任と同じ音声アナウンスに変わってしまいました。
私はなんだか狐につままれたような気持ちでした。
その後、柳沼主任にも黒沢様にも、、
何度か電話をかけましたが繋がりませんでした。
居ても立っても居られない気持ちになった私は、
その日は代休でしたが営業所に向かいました。
こんな状態でおちおち休んでいる気分にもなれず、、
営業所に到着した私は事務処理業務を始めました。
すると上田営業マンが、
<上田営業マン>
「あれっ?!
今日は代休でしたよね?」
<私、>
「まあ、そうだったんだけど。。
いろいろあってね。。
休んでいられる気分じゃ無くなっちゃったんで。」
<上田営業マン>
「管理職って、、
ユニットリーダーは大変ですよね。。
自分は絶対に管理職は無理です!」
<私、>
「この会社だったら一般社員でバリバリ売って稼いだ方がいいよ!
責任もシガラミも自分だけで完結するし。
役職手当よりも歩合給を一杯稼いだほうが年収高いしね!
ぶっちゃけオレもなりたくてなった訳でもないけど。。」
そんな話をしていると、
杉崎事務員が退職後に入社した後任の加藤事務員が、
<加藤事務員>
「真山リーダー!
黒沢様からお電話が入ってます。」
先ほど音信不通だった黒沢様から電話が入りました。
しかし柳沼主任とはまだ連絡がつきません。
本当は柳沼主任に相談してから黒沢様と話したかったのですが。。
しかしそうも言ってられず。。
とりあえず私は電話を取りました。
<黒沢様>
「もしもし真山リーダーさんですか?
先日はどうも。。
先ほど所長さんにお伝えしたんですけど、、
やっぱり解約させてください!
本当に申し訳ないんですが。。」
<私、>
「黒沢様っ!
なぜ解約をされたいんでしょうか?
理由を教えてください!」
<黒沢様>
「いやっ、、それは、、
とにかく解約をするって決めたんです!
解約させないつもりですか?!」
<私、>
「いえ、、そういうことでは無くてですね!
全く理由もわからないまま解約をするわけにはいきません!
なぜなんですか?
理由を教えてください!」
<黒沢様>
「別にそれはいいじゃないですか!
強いて言えば御社に対して不信感を持ったからです!
とにかくもうこれで終りにしてください!
御社控えの契約書はそのまま破棄してください!
昨日振り込んだ契約金についてですが、
後ほど私の銀行口座をメールするんでそこに返金してください!」
ガチャッ!!
黒沢様は一方的に言いたいことを言ったあと、
電話は切られてしまいました。
顧客情報登録されていない謎客
しかしどうすることも出来ません。。
我が社では解約をする場合、
解約同意書を交わさなければなりません。
原則は実際にお会いして対面で書面を交わします。
それを行わないと契約金の返金もできません。
お客様が何と言おうとそういうルールになっています。
しかし私はすぐ折り返し黒沢様に電話してその話をする気になれませんでした。
面倒なことになったなあ。。
長井所長にまたイヤミを言われるぞ。
その後、私は気分が乗らないまま。。
しかしタマッた事務処理をコナシながら。。
淡々と仕事をしていました。
夕方にさしかかったところで営業所の電話が鳴りました。
加藤事務員が電話に出て応答をしたあと、
<加藤事務員>
「真山リーダー!
柳沼主任のお客様で石本様という方なんですが。。
以前キッチンを交換してもらったんだけど、
水が漏ってるから至急対応してほしいとのことです!」
私はその電話を引き継ぎました。
<私、>
「お電話代わりました!
柳沼の上司の真山と申します!
キッチンから水漏れということですが。。」
しかし石本様は私の言葉を遮るように、、
<石本様>
「いいから柳沼さんを出してよ!
あなたじゃ分かんないよ!
とにかく柳沼さんに言って!
半年前にキッチン交換した天沼町の石本って言えばわかるから!」
そう言って電話は切られてしまいました。
またしても何なんだ?!
私は全く意味がわからず呆然としていました。
相変わらず柳沼主任とは連絡が取れません。
私は石本様の顧客情報を検索しました。
そこからキッチン交換工事を担当した業者を調べて現地に行かせるためです。
しかし、、
いくら検索をしても天沼町の石本様は見つかりません。。
んっ、、おかしいぞ?!
石本さんの顧客情報が出てこない。。
何となく私はイヤな予感がしてきました。
まさか、、柳沼主任。。
次回>>第94話に続きます。
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