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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第95話からの続きです。

信じたくないけど認めざる負えない。。

温厚で優しくて人気者の柳沼主任。

私も大好きな先輩であり、今は部下。

人は見かけによらないっていいますが、

本当にそんな悪いことをしているんでしょうか?




思い起こされる彼の口癖

私もうすうす感づいてはいましたが。。

長井所長の話しや他情報などを総合すると、

柳沼主任は弊社に問い合わせてきた顧客に対して会社を通さずに自分で請け負っている可能性が高いです。

もちろんそんなことをしたら絶対ダメです。

横領等の刑事罰を受けることになります。

会社から懲戒免職処分を食らうほどのことです。

しかし残念ながら、、

柳沼主任がクロであることはほぼ間違いないと思われます。。

ただ、本当に普段は温厚で人気者だった柳沼主任。

なので私は直接その事がハッキリするまで、

柳沼主任が悪い人だとは思いたくありませんでした。

私は石本様邸に向かう車中でいろいろなことを考えていました。

今回の石本様は柳沼主任が以前に

会社に内緒で工事を請け負ったお客様

だと思われます。

石本様がもし常識ある社会人であれば、それが悪いコトだとわかるはずです。

だから当初、キッチンからの水漏れ対応について弊社に問い合わせをしたくなかったと思われます。

しかし最近の柳沼主任は家庭不和で仕事どころでは無い状況。。

そういったことから、

お客様対応が後手後手になっていました。

そのため、

「水漏れ」という緊急性を要する事態

に陥り、柳沼主任と連絡が取れず切羽詰まった石本様は、

やむ追えず弊社に連絡してきたと思われます。


あと5分ほどで石本様邸に到着というところで、

ふと、私はあることを思い出しました。

柳沼主任は飲み会で相当酔っぱらってくると、

「オレはとんでもない人間だ!」

「オレはどうしようもない人間だ!」

、と、しつこく同じことを繰り返していました。

あの時は何でそんなこと言うんだろうって思ってたけど。。

まさか本当のコトを言っていたとは!

当時は、イケメン部下の高橋のキャラが強く、、

モテモテだった彼の口癖である、

「女ってホントめんどくさいですよね?」

のインパクトが強かったためそこまで気にしていませんでした。。

まあ、、これはこれで、

オトコなら一度は言ってみたいセリフですが。。

それはそれとして、、

柳沼主任も自分がイケナイことをしているという自覚があったのでしょう。

だから酔っぱらうと、

「オレはどうしようもない人間なんだ!」

といったセリフが思わず出て来てしまうのでしょう。

だったらやらなきゃいいのに。。

、と、今になって私はそう思います。


石本様邸に到着した私はインターフォンを押しました。

ピンポーン!

すると、すぐに石本様が出て来ました。

電話の感じで想像したとおりの、

60代くらいのオバサマでした。

<石本様>
「あなたが真山さん?!
柳沼さんの代理で来てくれたんでしょ?
早速だけどキッチンのところ見てくんない!」

といってキッチンへ案内されました。

中は殺伐としていて、お金がありそうなニオイは全くしません。

家も古く築50年くらいはイッテるんじゃないか?

と思われるようなお宅でした。

キッチンの下台の観音扉を開けて中を覗くと確かに水漏れしていました。

給水管からの水漏れでした。

早速私は弊社の設備業者へ連絡しました。

<私、>
「もしもし!タカラ設備さん?
新光クリエイトの真山です。
タカラ設備さんが担当した現場ではないのですが、
今、天沼町の石本様というお客様のお宅におりまして、
現状キッチンの給水管から水漏れしている状態です。
至急で対応してもらえないですか?」


たまたまタカラ設備が近くにいたこともあり、

すぐに対応してくれることになりました。

最後に差し出された謎の名刺

タカラ設備の補修工事が完了したあと、

私は石本様に問いかけました。

<私、>
「これで補修工事が完了しました。
なのでもう大丈夫です。
それで、、ちょっと質問なんですが、」

<石本様>
「質問ってなんですか?」

<私、>
「石本様、申し訳ないんですが、、
弊社での顧客登録がありませんでした。
柳沼が担当でこのキッチン工事をされたとのことですが、、
それはいつ頃だったでしょうか?」


その瞬間、スッと石本様は私から目をそらしました。

何となく少し気まずい雰囲気になりました。


<石本様>
「半年くらい前よ!
、、ていうか、、
アタシは柳沼さんに頼んだだけだから。。
登録とかって、、よくわかんないけど、、
とにかくアタシは柳沼さんがスゴクお得にやるっていうから。。」

<私、>
「石本様、柳沼は弊社の社員です。
その柳沼が担当した石本様の顧客情報が一切登録されていません。
工事請負契約書の控えもありませんでした。」

<石本様>
「そんなの知らないよ!
とにかくアタシは柳沼さんにやってもらっただけ。
登録が無いからって何なのよ!」

<私、>
「今回の水漏れ工事はあくまでも弊社で工事を行って頂いた方に関して無償対応となります。
弊社に登録も工事履歴も確認出来ない場合は新規のお客様扱いとなります。
なので緊急水漏れ対応工事として約5万円ほど頂かなくてはなりません。」


私はやや強い口調で言い放ちました。

柳沼さんのことは大好きです。

このお客さんも柳沼さんに誘導されただけかもしれません。

しかし私も新光クリエイトの管理職であり責任があります。

少なくとも石本様も本来やってはいけないことをしている認識はあるはずです。

しばらく石本様は黙りこくっていました。

しかし突然大きな声で、

<石本様>
「柳沼さんが言ってきたんだよ!
見ればわかると思うけどウチはカネが無いんだよ!
だけどキッチンがボロくて使いもんにならなくなっちゃたから、、
とにかく安く交換してくれる会社を探してたんだ。
最初は一番安い仕様で60万って言ってたけど、、」

<私、>
「総額で60万なら相当安いと思いますが。。」

<石本様>
「他の会社でもだいたい60万が限界だって、、
でも柳沼さんって何かイイ人だったから、
もう少し何とかしてくれたら契約するって言ったんだよ!
そしたら、、」

<私、>
「そうしたら柳沼は何と言ったんですか?」

<石本様>
「石本さんはすごく自分を気に入ってくれてるみたいだから、、
特別に自分がやりましょうかって、、
そうすれば50万で出来るって。」

あちゃあ、、柳沼さんから持ち掛けてたのかあ。。

石本様は戸棚の引き出しを探って何やら名刺のようなモノを取り出しました。

そして、、

<石本様>
「もう全部言っちゃうけど、、
これが柳沼さんがその時に出してきた名刺!」

といってその名刺を私に差し出してきました。

その名刺を見て私は驚きました。

なっ?!、なんじゃこりゃ。。

セントラルホーム代表の柳沼大介?!

次回>>第97話に続きます。

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