こんにちわ。トラジロウです!
前回>>第96話からの続きです。
遂に石本様が一連の経緯を暴露しました。
最後まで信じたくなかったのですが、、
やはり柳沼主任はクロでした。
彼から持ち掛けて会社を通さず直接工事を請けていました。
さらに私は石本様から差し出された名刺を見て驚愕しました。
セントラルホーム代表柳沼大介
なんと、その名刺には
【セントラルホーム代表:柳沼大介】
と記載されていました。
いつから柳沼さん別会社の社長になったんだ?!
私はしばらく呆然と立ち尽くしていました。
その姿を横で見ていた石本様が、
<石本様>
「私は何も悪いことはしてないよ!
ちゃんと柳沼さんにお金だって払ったし。
柳沼さんは自分でもリフォームやってるし、
利益をあまり取らないで信頼できる客だけやるんだって言ってた。」
<私、>
「ということは逆に何件も彼はやっているってことですね?」
<石本様>
「まあ、そうなんじゃないの?
柳沼さんの話しっぷりからすると、
<何件もやってるから大丈夫ですよ!>
っていうふうな感じだったよ。
だから安心して任せたんだけど。」
<私、>
「しかし一般常識的にこれってダメなことですよね?
まあ石本様じゃなくて柳沼がですけどね。」
<石本様>
「たしかに今こうやって聞けば、、
そうかなって思えるけど。。
でも当時はお金無いのにキッチン壊れてパニックってたからね。。
それに柳沼さんってホントにイイ人でいいキャラじゃない?!
だから当時はそこまで深く考えないで突っ走っちゃったわよ!」
<私、>
「まあ、、確かに。。
柳沼はそういうトコありますよね?
でも彼のやったことは会社員としてアウトです。」
<石本様>
「でも柳沼さんはオタクの社員であって、、
だから柳沼さんがどうこう言われても私には関係ないよね?
オタクの会社が社員を管理できてないってことでしょ?
とにかく今日の補修代5万払えっていわれてもお金無いよ!」
案の定、石本様はゴネてきました。
こういったケースだと客も質が悪いケースが多いです。
住宅業界ではよく言われることですが、
担当営業に似た顧客が付く
ようするに、
ダメな営業にはダメな客、
いい加減な営業にはいい加減な客、
頭の良い営業には頭の良い客、
といった感じです。
余談ですが私も住宅営業時代は、
繊細かつ緻密に対応する営業マンだったので、
(自分で言っちゃってすみません(^^;))
私のお客様は頭が良くて細かいお客様が多かったです。
なので通常であれば一回の打合せは2時間くらいが標準ですが、
私の場合は平均4~5時間と長めでした。
いわゆるVIP客、
一億円超えの住宅を建てるお客様
会社社長、医者、弁護士、他著名人など、、
そういったお客様が多かったです。
しかし実際のところ、
私は学術的な能力も優れた理解力も持ち合わせていません。
なのでお客様対応は唯一の私のトリエである
雑談力と傾聴力
を主軸にして乗り切っていました。
話しが少しそれましたが、
そういったことを踏まえると、
確かに石本様と柳沼さんは何となく共通点を感じました。
もちろん今回の件で石本様を責めるつもりはありません。
しかし全く何も言わずにニコニコ笑って、
かつ無償で補修工事を容認するわけにはいきません。
なので少しクギを刺した感じにしました。
その後、私は石本様邸を離れました。
家庭不和で失墜した人気者の行方!柳沼主任は今どこに?
帰りの車中で今後の展開をいろいろ考えていました。
柳沼主任は本日の朝も昼も電話していますが繋がりません。
わざと電話を取らないのか?
いや取れないのか?
柳沼主任は3カ月前に離婚しており子供が4人もいました。
子供たちの親権は元奥様にあるようで柳沼主任は普段は子供に会えません。
なので子供が恋しいと常にボヤいていました。
養育費を毎月15万円支払わないと子供と会えなくなってしまう
とすごく悩んでいました。
柳沼主任は子供たちからも人気者でした。
なので子供たちからよく電話がかかってきていました。
「だめだよ!パパいま仕事中だよ!
えっ?!今度はリナも携帯ほしいの?
家族で6台になっちゃたらパパ破産だよ!」
といったような感じで、
子供からも頻繁に電話がかかってきていました。
そのたびに彼はそっと営業所の外へ出て子供たちと話していました。
しかしここ1カ月くらいはそんなシーンも見られなくなりました。
たぶん養育費が払えなくなってしまい、
子供たちとの接触を制限されてしまったのかもしれません。
なぜ柳沼さんはこんな不正に手を出してしまったのでしょうか?
もともとキャバクラ好きで金使いが荒いということはありましたが、、
最大の要因は離婚だと思われます。
これは彼にとって大きな致命傷です。
子供が4人もいるため養育費毎月15万円は大変です。
弊社は歩合給率の高い会社なので基本給はわずかです。
柳沼主任はそんなに成績が良くありません。
なので歩合給もせいぜい平均10万円くらい。。
おそらく年収は平均世帯水準は無いと思われます
いずれにしても、
家庭不和から波及して彼の人生が厳しい状況になったことは明かです。
いったい何件くらいの客を自分で請けているのでしょうか?
今回の石本様のようにリフォーム工事はアフターフォローが出て来ます。
なので絶対に会社にバレます。
そんなことも考えないで何件もお客さんを受け持ってしまうとは。。
とにかく私は柳沼さんと話がしたい、、
そして柳沼さんになぜこんなバカなことをしたのか聞きたい、、
という思いで一杯でした。
柳沼さんは今どこで何をしているんだろう。
そんな中、長井所長から電話がかかってきました。
<長井所長>
「オイっ!トラジロウ!
黒沢さんってお客さんわかるか?
解約したのに金返さね~って怒ってるぞ!
なんだオマエ、黒沢さんって500万で契約した客だよな?
最近オマエのチーム成績悪いんだから解約なんて絶対に許さんぞ!
とにかく早く電話して行ってこい!」
うわっ、、マジか。。
超めんどくせ~ことになってきたなあ。。
数日前、最後に電話で柳沼主任と話した時は、
「ごめんトラちゃん、、黒沢さんにアポ取ってみるよ!」
と言っていましたが。。
しかし、、
柳沼主任とは今後、何となく連絡が取れないような気がしました。
なので私は一人で黒沢様のところに行って話を付けなくてはなりません。
しかし黒沢邸の500万の契約がもし解約になれば、、
私のチームの営業数字はもちろん、、
私自身も大変なことになってしまいます。。
いったいどうすればいいのか。。
次回>>第98話に続きます。
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