こんにちわ。トラジロウです!
前回>>第48話からの続きです。
突然の社長からの電話に当初は戸惑っていた私でしたが。。
次第に社長の熱く誠実なオーラに包み込まれていきました。
そして気が付けば全てを赤裸々に告白していました。
しかし私は今回の仮契約をもって達成扱いにしてほしいと社長に頼むことはしませんでした。
なぜなら私は同社を退職して転職をする意思が固まっていたからです。
このベンチャー企業への転職を志した当初の記憶
家に帰った私は何もやる気が起きず無気力状態でした。
音楽を聴くこともテレビを見ることもせず、、
床に寝ころんだまま一点を見つめていました。
思えば前職の大手ハウスメーカー時代にはいろいろなことがありました。
キャリアとノンキャリアで入社時点から大きな格差があったり
優秀社員が損をしてダメ社員が楽をしたり
現場を知らない上層部からのトップダウンで混乱したり
無駄な書類が多かったり
など、、数えだしたらキリがありません。。
いろいろと理不尽なことがありました。
そんな大手ハウスメーカーの中でも私はあらゆることを経験し学びました。
そして最終的には、、
独裁者と恐れられていたパワハラ所長の部署へ異動させられてしまいます。
(※その時の話しは>>CP1-第14話をご覧ください。)
そこで様々な紆余曲折があり、、
遂に私はその大手ハウスメーカーに見切りをつけることにしました。
そして転職を決意した私はこのベンチャー企業に照準をしぼりました。
このベンチャー企業奮闘記を今まで読んでくれていた皆様からすれば、
単なる私の苦労日記に想えるかもしれません。
しかしなぜ私がこの会社にピンポイントで転職を決めたのか?
その理由を改めてお話しします。
この会社は人数こそ100数十名規模の会社でしたが、
合理的手法や革新的発想で住宅業界をリードする精鋭リフォーム会社
として当時マスコミでも話題沸騰の優良企業でした。
基本給は低いものの頑張って成果を上げればしっかりと収入に反映される会社でした。
さらに社内研修等も大変実践的でタメになる充実した内容のものが多数用意されていました。
よく他社で開催しているような体裁だけのオザナリな研修ではありませんでした。
私が現在住宅業界コンサルタントとして活躍出来ているのも
この会社での経験や学びが大きく起因しています。
特に営業心理術や経営の基本的なことに至るまで数多くを学ぶことが出来ました。
しかし、、
以前にもテーマとして取り上げたように、
転職は会社では無く配属先で全てが決まる
という大きな壁に見事にぶち当たってしまいました。
私の今回の配属先である東京西営業所は完全なハズレ部署でした。
なぜならそのトップである長井所長は全営業所の中でも一番最悪なハズレ所長だったからです。
住宅業界経験者の私が実に半年以上も担当エリアを持たせてもらえず大苦戦を強いられました。
そうは言っても
意を決して転職してきたこの会社を簡単に辞めてたまるか!
と常に自分を鼓舞して前向きに頑張ってきました。
しかし遂に私も我慢の限界です。
今回の仮契約が認められなかったことで完全に気力が薄れてしまいました。
世の中結果が全て?!
翌日の月初一日目の朝、
私は現場直行をせずに東京西営業所に出社しました。
他営業所員全員が現場に直行しているため私と杉崎事務員の二人だけでした。
私は杉崎事務員と二人きりで話しをしていました。
<杉崎事務員>
「でも、、トラジロウさん残念でしたね。。
あんなに頑張って何とか仮契約を決めたのに認めてもらえないなんて。。」
<私、>
「いやっ、、もう決まったことは仕方無いです。
世の中結果が全てだと思います。
どんなに必死で努力したとしても達成出来なかったことは事実です。」
その後もしばらく杉崎さんと話しをしていましたが、
<杉崎事務員>
「トラジロウさん、、なんか、、
やけに吹っ切れた顔をしているように思えるんですけど。。
まさかっ!、、
会社を辞めて転職しようとか思って無いですよね?!」
<私、>
「杉崎さん。。心配してくれて有難うございます。
正直なところ、、
私はコミュニケーション能力は高いほうだと自負していましたが、
長井所長を攻略することは出来ませんでした。
もう自分なりにやるべき事はやりましたし、
この劣勢の状況から盛り返して成果を出せる気もしません。」
<杉崎事務員>
「やっぱり、、
トラジロウさん、そうだと思いました。。
でも、、辞めないでください。
トラジロウさんが来てから営業所内の雰囲気も良くなったと思うし、、
長井所長だって最近はトラジロウさんにそんなに強く当たらなくなったと思います。」
う~ん、、やっぱり杉崎さんってカワイイよな~。
いやっ!、いかん、なぜオレってこうなんだろう。。
、と、またしても少々不純なことを考えていました。。
突然の訪問客
そうこうしていると、、
エントランスの扉が開いたことを知らせる音楽が鳴りました。
あわてて杉崎さんが、
<杉崎事務員>
「アッ!、誰か来たみたいです!
わたし受付に戻りますね!
でも、、トラジロウさん!
絶対に辞めないでくださいね!」
といって受付ブースの方に戻っていきました。
しばらくすると、あわてて杉崎さんが私のところへ駆け寄ってきました。
<杉崎事務員>
「トラジロウさん!
本社の相原部長が来ました!
トラジロウさん居るかって。。」
<私、>
「えッ!?、、
あの本社の相原総務部長がですか?!
なんで今さら?。。」
、と困惑していると、
私と杉崎事務員の居る営業所事務室の扉が開きました。
そこにはスラッと背の高い相原部長と思わしき人物が立っていました。
私は相原部長とは面識がありません。
ですが話しの流れから目の前に立っているのが相原部長であることは確かでした。
すると、、
<相原部長>
「君がトラジロウ君か?
本社の相原です!」
<私、>
「ああっ、、初めまして、、
ワタシ、東京西営業所のトラジロウです。
私に、、何か?、ございますでしょうか?」
しばし沈黙がありました。
相原部長は穏やかな様子で私をジッと見つめ、
<相原部長>
「うん。いい声をしているね!
売れそうなタイプだ!
トップセールスになれる要素を充分に持ってるなっ!」
、といきなり感じよく褒められ。
長井所長のいつも言っている
相原部長はメチャクチャ恐れられているヤバイ人だからな!
といった印象は全く受けませんでした。しかし、
なぜ相原部長は私を訪ねてわざわざ来たんだろう?
次回>>第50話に続きます
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