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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第27話からの続きです。

先月、200万円で契約した小橋邸が、ご主人の入院で解約となってしまいました。

さらに伊沢課長から引き継いだ超クレーム案件の中島邸が元凶となりドミノ倒しのような負のスパイラルに。。

あと一週間で270万円を契約するのは事実上不可能です。

八方ふさがりとなった私は物思いにふけっていました。




このベンチャー企業へ転職してからの8ヵ月間を振り返って

退職した大手ハウスメーカーでは現場監督や設計士などをメインに従事していました。

しかし最初からキャリア籍とノンキャリア籍に分かれていたり。。
(私のような技術系はナゼかノンキャリア籍でした(^^;))

優秀社員が損してダメ社員が得だったり。。

トップダウンで一方的に物事が決まることが多く、、

個人の意見が尊重されなかったり。。

とにかく無駄な書類が多すぎたり。。

その他、、書き切れないぐらい不可解で理不尽なことがありました。


詳細は>>大手ハウスメーカー社員体験記CP1をご覧ください。


今回転職してきたこのベンチャー企業は、アースコンサルティング(仮名)という経営コンサル会社が監修していました。

なので、建築業界の悪しき慣習のような非合理的なことは無いと思っていました。


しかし現実は違いました。。


結局、我々が転職して働く場合、

「・・・営業所」

「・・・支店」

「・・・グループ」

などの小さなコミュニティーの中に配属になります。

なので、その配属先によってアタリ・ハズレがあるわけです。

よく、


「・・株式会社は超イイから転職にはオススメだよ!」


などと耳にしますが、、

実際はその「・・株式会社」の中のどこに配属になるかで転職後の人生は大きく左右されます。


前置きが長くなりましたが、

私が転職したこの新光クリエイト株式会社は当時話題のベンチャーリフォーム企業でした。


マスコミから数多くの取材を受け注目されていました。


新しい発想、モチベーションの維持、さらには合理的な報酬形態など、

当時一世を風靡した優良ベンチャー企業でした。


しかし、、


私の配属先にはパワハラ所長が。。


これもすべて運命だと甘んじて受けるしかないのでしょうか?


絶対絶命の窮地に追い込まれた私は何もやる気が出ずにそんなことを考えていました。

小橋邸の解約同意書の交付で全ては振出しに?!

翌日、私は上田営業マンから声をかけられました。


<上田営業マン>
「トラさん、小橋さんのところへはいつ行きますか?」


<私、>
「本日の3時にお伺いすることになってます。」


<上田営業マン>
「3時ですね?それでは私も同行します!
前の打合せを切り上げて合流しますから小橋さんの家の近所で合流しましょう。」


<私、>
「いやッ、、ホントに大丈夫です。。
上田さんにはいろいろとお世話になってしまい、、
これ以上お時間を頂く訳にはいきません。。
月末で上田さんだって今月は数字が厳しいはずです。
解約同意書を交わすだけですから私一人で大丈夫です。」


<上田営業マン>
「いやッ、、いいんです。。
気を使わないでください。
それじゃあ3時に会いましょう!」


ということで上田営業マンが解約同意書の交付に同席してくれることになりました。


上田さんってホントに律儀な人だよなあ。。


だから小橋さんみたいなファンがつくんだろうけど。。


そして予定通り3時に小橋邸の近くで上田営業マンと合流しました。

実践で伝授された正直営業の極意とは?!

ピンポーン!

と小橋邸の呼び鈴を押すと、すぐに小橋さんの奥様が出て来ました。


<小橋奥様>
「こんにちわ。
わざわざスミマセン。。
あれッ!上田さん、、お久しぶり!
上田さんまでワザワザ来てくれたんですか?」


<上田営業マン>
「もちろんです!
ご主人様には本当に弊社を、、
そして営業の私をすごく気に入って頂いて。。
なのでご主人がいよいよ入院と聞いて居ても立っても居られくなりました。
なので今日はトラジロウに同行させてもらいました。」


そしてリビングに通された我々は小橋奥様と向き合いました。


<小橋奥様>
「本当に申し訳ありませんねえ、、
もともと我が家はリフォームする必要はそんなに無いんだけど。。
ウチはもう子供たちも大きいでしょ!
でもね、、ウチの主人がどうしても上田さんに協力したいから、、
どうせならキッチンもリフォームしたほうがいいよって、、
また上田さんと接点が持てるってすごく喜んでたんですよ。。」


<上田営業マン>
「有難うございます。
しかしご主人が末期ガンだということも存じております。
なので今回のリフォーム工事は解約とさせて頂きます。
そして解約同意書という弊社の書類もお持ち致しました。
ですので、こちらの鉛筆で〇をした部分にご署名ください。」




その後、解約同意書に記載してもらい押印まで完了すると、




<小橋奥様>
「解約同意書の日付けは今日の日付けを書けばよいですか?」


すると、、

上田営業マンの眼光が鋭く変わりました。

そして力強く、、しかし優しい口調で、、


<上田営業マン>
「大きなご信頼を頂いております小橋様に一つお願いがございます。
今回はご主人の入院ということで当然リフォーム契約は白紙とさせて頂きます。
男気のあるご主人様とは隠し事をせずにいつも正直に向き合ってきました。
なので今回も正直にお話しさせて頂きます。
本日付で解約が決定してしまうとトラジロウのノルマが達成できず彼は会社を去ることになります。
営業とはシガナイもので、、
彼は大変優秀な社員ではありますが、いろいろと運に恵まれず大苦戦を強いられています。
ですので解約の日付けに関してはすこし猶予を頂きたく存じます。」




すると小橋奥様の表情が固まり、しばし時間が流れました。




緊張感で一杯の私は身動きすら出来ずにジッと小橋奥様を見守っていました。


お客さんが解約すると言ってるのに引き延ばしていいんだろうか?

正直営業は最強?!、、でもカケヒキは必要

小橋奥様は改めてその解約同意書や当初の工事請負契約書をジックリと見直していました。

そしてさらに数分程経過すると、、


<小橋奥様>
「末期ガンを宣告されてから主人は全くしゃべらなくなってしまったんですけど。。
上田さんと再会してから急に元気を取り戻して私とすごくしゃべるようになったんです。
上田さんってすごいんだなあ、、って改めて思いました。
主人は男気があって元営業マンだから上田さんの気持ちがよくわかるって言ってました。
主人は自分を上田さんと重ねていたんだと思います。」


<上田営業マン>
「そこまで言って頂けて感無量でございます。
今回末期ガンで入院されましたが私はご主人が亡くなってしまうとは全く思っていません。
大変生命力のある方です。
必ずまた復活されて再びこの契約をまき直して頂けると信じております。」


<小橋奥様>
「、、わかりました。。
主人は男気があって強い人です。。
正に上田さんには主人と似たオーラみたいなものを感じます。
解約の日付けはそちらにお任せ致します。」


<上田営業マン>
「ありがとうございます。
弊社の取決めで解約の申し出があってから原則2ヵ月以内に解約を完了しないといけません。
なので2ヵ月後に改めてこちらに足を運ばせて頂きます。
その頃にはトラジロウも無事ノルマ達成しているでしょうから。。
ですので今回記載して頂いた書類は私のカバンの中にしばらく眠らせて頂きます。」




ということで何とか今月の解約は免れました。




その後、小橋邸を後にした私たちは喫茶店でしばしお茶をしました。

私は上田営業マンに質問をしました。


<私、>
「質問ですが、、
今回解約の日付けを今日ではなく延期したりして問題無いのでしょうか?
あと、、解約の申し出があった場合は原則2か月以内に解約完了しないといけないんでしょうか?」


<上田営業マン>
「トラジロウさん、、
営業の世界はあらゆる面ですごく泥臭い世界です。
特に住宅業界の営業マンはモノではなく高額なサービスを売ってる訳ですから難易度が高いです。
私もトラジロウさんも「正直営業」のスタンスで営業活動をしていてそれは正解です。
しかし営業マンは最低限のカケヒキは必要です。
誰もキズつかないウソも時には必要です。
ウソも方便といいますけど、、
余計なことは言わなかったり、
多少のウソでむしろ全てがプラスの方向に進む場合もあります。
今回の営業数字などの操作も営業では日常茶飯事です。
むしろバカ正直に本日付けで小橋邸を解約してしまったらトラさんは確実に今月一杯で会社を辞めるでしょう。
トラさんが辞めたら優秀な人材を失って会社は大損害です。
解約の申し出から2か月以内に、、
というのはウソです。
話しの流れで私が適当に言いました。
だって、、
いつまで引き延ばされるんだろう、、
、ってお客さんだって不安ですよね?
だから会社の決まりで今日から2ヵ月以内には強制的に解約になるってことを言ってあげた方が安心だし信憑性がありますよね。」




といった具合で上田営業マンからレクチャーを受けました。


またしても首の皮一枚で繋がった私の未来。。


しかしあと7日で残り70万円の契約をしないとアウトです。


現在、クレーム処理だけでも精神的に一杯一杯な状況です。


次回あの謎の店長の正体が明らかになります。


>>第29話に続きます!

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