Pocket

こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第76話からの続きです。

ちなみに今回のベンチャー企業奮奮闘記77話でCP1の


>>大手ハウスメーカー社員体験記
(※全23話完結)


と合わせて、なんと!


累計100話を達成しました!


これもひとえに、


毎週多くの皆さまに愛読して頂いたおかげ


と大変感謝しております。


今まで数多くの応援、共感、感想コメント有難うございます。

皆様の言葉に後押しされてここまで継続することが出来ました。

今後も真山虎次郎のドキュメンタリーエッセイをよろしくお願い致します。




海外出張で長期不在の705号室

私が全世帯近隣承諾書取得のリミットと考えていた7月25日を迎えました。

そこで703号室の承諾書を取得しました。


これで遂に残りは705号室だけです!


しかしその703号室の住人いわく、


「705号室の神谷さんですけど、、
先月からロサンジェルスに出張に行ってるみたいです。
今日明日には帰ってこないと思いますけど。。」


それを聞いた私と岩柳さんはショックで言葉を失いました。


ヤバイっ、、終った。。


岩柳さんがまた情緒不安定でおかしくなってしまう。。


案の定、岩柳さんの目が虚ろな状態に変っていました。

我が社と工事請負契約を交わしてからは安心したせいか?

あまり精神的に不安定な感じは無かったのですが。。

私が703号室の住人にお礼を言ってそのドアを閉める一連の間、

岩柳さんは黙って立ち尽くしたまま一点を見つめていました。

肩から指先まで小刻みに震えているのがわかりました。

私はすかさず声をかけました。


<私、>
「岩柳さん!、、落ち着いてください。
大丈夫っ!、、大丈夫です!
今日で全部取得出来なくても全てアウトなわけじゃありません!」


すると、、


<岩柳さん>
ああっ!、、もうっ!!
なんで何をやってもダメなのよ!
今日までに全部取得できなかったらダメって言ってたじゃない!
っていうかアタシたち、、もう終わりだわっ!」


と威圧的な大声をあげて私を睨んだあと、

頭を抱えて座り込んでしまいました。


これだとまたオレに「殺す!」とか言ってきそうだよなあ。。


私自身もロサンジェルスに出張と聞いて絶望感に打ちひしがれましたが。。

しかしそれ以上に岩柳さんの不安が爆発してまた暴言を吐かれたりしたらたまりません。

管理人に直談判

このままだと確実に残りの705号室の承諾書は獲得できません。

私は岩柳さんに話しました。


<私、>
「岩柳さん。
もちろん今後も705号室の神谷さんの訪問は続けます。
しかし私はこれから管理人さんと話をしてきます。
ロサンジェルスに出張しているのであれば今日明日には帰ってこない可能性が高いです。
それをルールだからといって配慮しないのはありえません。」


すこし落ち着いた岩柳さんは急に弱々しい声で、




<岩柳さん>
「トラジロウさん。。
本当にご迷惑おかけしますけど、、
私たちはトラジロウさんしか頼る人がいないんで。。
、、お願いします。。
本当に、、お願いします。。」




突然敵対心をむき出しで声を荒げたり、、


かと思えば急に涙声ですがってきたり、、


メチャクチャ情緒不安定な人だよなあ。。


突発的に後ろから刺されたりしないだろ~なあ。。


マジでほんとに怖いわ。。


私はいかなる時も岩柳さんを真後ろに立たせないように心掛けました。




翌日、私は管理人室を訪れました。

ガラスの向こうに管理人らしき人が見えました。

すでに管理人さんとは何度も面識がありました。

私に気付いた管理人さんが出て来ました。


<管理人さん>
「どうですか?
近隣承諾書は取得出来ましたか?」


<私、>
「いえっ、、あと705号室だけなんですが。。
先月からロサンジェルスに出張だそうで。。
今日明日には帰って来ないと思います。
ここ10日間、毎日岩柳さんと訪問をしてきました。
このままでは8月末に引越し出来ず路頭に迷ってしまいます。
何とか705号室だけは免除してもらえないでしょうか?」


すると管理人さんは申しわけなさそうに、


<管理人さん>
「気持ちはわかるんですが。。
マンションの管理規約について管理人の私が口出しすることは出来ません。
大変申し訳ないのですが。。」


<私、>
「まあ、、そうですよね。。
最近変わった理事長さんが厳しいルールに変えてしまったというウワサを聞きました。
管理人さんを困らせてもしかたないので、、
直接その頑固な理事長さんと話しをするしかありませんね。」


<管理人さん>
「いやっ、、トラジロウさん。。
それはヤメたほうがいいですよ。
ブッチャケ、、ここだけの話しですが、、
相当な頑固ジイさんなんで話しがコジレルだけだと思います。
下手にゼネコンに40年勤務した一級建築士なので逆上するだけです。
あと、705号室の神谷さんですが日本には戻ってきています。
ただし何か事情があって実家の方に滞在してるみたいです。
でも一昨日の夜に705号室にも出入りしている形跡があります。」


<私、>
「管理人さん。貴重な情報をありがとうございます!
大変感謝致します!
それではとにかく705号室の神谷さんを追いかけてみます。」


すると私が工事申請書を既に作成していることに気付いたのか、


<管理人さん>
「トラジロウさん、
とりあえず現段階で取得済みの705号室以外の近隣承諾書と工事申請書をください。
工事申請書関連の書類は全て作成しているんですよね?
本来は近隣承諾書が全て揃わないと工事申請書を受け付けないのですが。。
全部そろったという前提でトボケて私から管理組合に出しちゃいます!
そうすれば何日かは時間が稼げます。
705号室の神谷さんが取得出来たら私にください。
705号室分が添付し忘れてたけどちゃんとあります
って言って何とかごまかします!」




毎日毎日、、ここ10日間、

夕方から夜9時くらいまで。。

私と岩柳さんは常に玄関ホールに張り付いて目を光らせていました。

一生懸命頑張っている姿が近所でも評判になっていました。

そんなケナゲな私たちに同情してか?

管理人さんのやさしい御配慮を頂きました。

しかし最終的に705号室を取得出来なければその頑固理事長が承認を下ろさないでしょう。

なので、引続き岩柳さんと玄関ホールに張り付いて目を光らせ続けました。

真夜中に鳴り響く不気味な電話

最近、私は気になることがありました。

それは夜中に知らない電話番号から着信があることでした。

その日の夜も夜中の3時ごろに私の携帯がなりました。


いったい誰なんだろう?


気持ち悪いからヤメテほしいんだけど。。


その電話が岩柳さん含む顧客からであれば電話番号を登録してあるので名前で出ます。

しかしその電話番号は

080-1240-〇〇〇〇

といった感じで番号通知は出るものの、、

誰かはわかりません。。

今夜で4回目です。

必ず夜中にかかってきます。

私は霊感とかは全くありません。。

しかし何よりオバケとかは苦手です。

まあ、、誰だって夜中に知らない電話番号からかかってきたら気持ち悪いわけです。

今回、思い切って電話に出てみました。




<私、>
「もしもし!
誰ですか?!」




しかし反応がありません。

じっと受話器に耳を付けて聞いてみましたが、、


電話の向こうは騒々しい感じを受けました。


しかし何がどうなっているのかは全くわかりません。

何だか不気味な感じがして背筋がゾッとしました。

結局、その後電話は切られてしまいました。


いったい何だったんだろう。。


これって夢じゃないよな?


スゲー気持ち悪いんだけど。。




翌朝、会社に向かう車中で昨晩の不気味な電話のことを考えていました。

本当に悪夢をみたような、、

すごく気味が悪いです。。

しかしおそるおそる携帯電話の着信履歴をみると謎の電話番号の履歴がありました。


7月20日から累計で4回かかってきています。


1回だけならともかく。。

なので間違い電話というわけでは無さそうです。

それから4日間、

私と岩柳さんはマンション一階の玄関ホールに引続き張り付いていました。

そして誰かが玄関ホールを通る度にその人をチェックしていました。

705号室の神谷さんは一度家に入ったら


居留守を使って出てこない人


かもしれません。

なのでこの棟に入ってきた段階でその人に、


「705号室の神谷さんでしょうか?
近隣承諾書にサインしてください!」


と直接アプローチすることによって、

より確実性を増すのと取りこぼしを防ぐのと。。


とにかく毎晩数時間以上その玄関ホールに張り付いていました。


これだけ毎日玄関ホールに張り付いていると住人の皆さんの顔をほとんど覚えてしまいます。

そんなある日、

今まで見たことのない人が玄関ホールに入ってきました。

私と岩柳さんはその人のところに駆けよって話しかけました。




<私、>
「すみません。。
705号室の神谷さんでしょうか?」




すると、その人はジッと私たちを不思議そうに見つめてきました。


次回>>第78話に続きます。

※ベンチャー企業奮闘記は毎週月曜日更新です!









Pocket