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 こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第31話からの続きです。

ようやく86万円の契約が決まってホッとしたのも束の間、、

孫娘が不安な言葉を口にしました。


「シンちゃん優柔不断だから大丈夫かなあ。。
明後日の契約調印までに気が変わらなければいいけど。。」



それを聞いて早くも不安な気持ちで一杯の私。。

もし明後日の契約に待ったがかかれば全て終わりです。。




最終月現在の見込み含めた総契約金額

とりあえず現在の私の状況を整理してみます。

今月の合計契約金額300万円を達成出来なかった場合、

私は退職を決意し転職活動を開始せざる負えません。

昨日契約内定した自由の女神の86万円を足すと


今月合計契約金額¥3,064,000-


となりギリギリ達成出来ます。

しかし今月はあと3日なので何か一つでも解約や減額などあれば一巻の終わりです。

孫娘の放った不安な言葉が頭から離れずビクビクしていました。

とりあえずは契約書を作成するための事務手続きをしていました。

20万円以下の簡単な工事であれば簡易契約書によって即日契約が可能です。

しかし今回のような難易度の高い店舗改修工事で100万円近い契約となると契約伺い書が必要となります。

その契約伺い書が所長を経由して本部で承認されないと契約書が作れないのです。

しかし上田営業マンのように一定レベルの営業マンであれば即日で契約をすることも可能です。

私のように新人で担当エリアすら持っていない営業マンの場合はそういった融通が利きませんでした。

なので孫娘が言うように店長の気が変わらないその場で契約調印まで完了させたかったのですが。。

この会社のそんなルールによって出来なかったわけです。

そうは言っても金額が大きくなかったのでその日のお昼過ぎには決済がおりて契約書の作成が完了しました。

いよいよ明日の17:00から自由の女神で契約調印となります。

そして契約調印が無事完了すれば遂に私のノルマ達成が確定します。

優柔不断な店長から突然の電話

契約書をカバンに入れ、祈るような気持ちで明日の契約調印に臨む私。

その日は何ゴトも無くクレーム案件の中島邸と階下の水漏れした清水邸を巡回して帰路につきました。


そしていよいよ契約当日の朝を迎えました。


上田営業マンはじめ所員たちが私のところにやってきました。


「いや~、、いよいよ今日で達成ですね!」


「トラさん、今までホントに頑張りましたよね。。」


「これで一気にトップセールスマン街道マッシグラですね!」


営業所員たちからあたたかい言葉を頂き、

何となく達成したような雰囲気に浸っていました。


すると、、


私の携帯電話に不在着信のランプが光っていました。


誰だろう。。


携帯電話を開いてみると、そこには


10:35 自由の女神店長


と表示されていました。

その瞬間、私の胃がキューッと締め付けられました。

住宅業界を経験したことがある人なら分かってもらえると思いますが。。

電話がかかってきて不安を感じない人はほとんどいないのではないでしょうか?

私は人目を避けるように営業所の外へ出て店長に折り返し電話をしました。

4コールほど鳴ったあと、


<石原店長>
「もしもし石原です。
トラジロウさん、折り返し有難うございます。」


<私、>
「石原店長、お世話になります。
先日は有難うございました。
お電話に出れず申し訳ありません。。
どうなさいましたか?」


<石原店長>
「実は、、
大変申し訳ないのですが、、
今回の店舗改修ですがちょっとご相談がありまして。。」


その瞬間、私はものすごく息苦しいような、、

再び胃が締め付けられるような、、

最悪の気分になりました。




オイオイ勘弁してくれよ、これが無くなったら全て終わりだぞ。。




<私、>
「もしかして、、工事を見送りたいということでしょうか?」


するとしばらく沈黙が続き、


<石原店長>
「いやッ、工事自体を見送るつもりは無いのですが、、
最近店の売上も低迷しておりまして予算的にちょっと厳しいかと。。」


こういったケースの場合、これ以上電話で話すより実際に顔を合わせたほうが良いと判断した私は、


<私、>
「承知いたしました。
先立つものはお金です。
大変重要なことですからお電話では無く実際にお会いして詳細打合せをさせて頂けないでしょうか?
既に必要書類など全て完成しておりますので、、
これから店長のところに伺ってもよろしいでしょうか?」


いきなり私にそう切り出され驚いた様子でしたが、


<石原店長>
「アッ、、いやぁ、、
まあ、いいですけど。。
何時ごろですか?」


<私、>
「今からすぐに向かいます。
なので30分ほどお待ちいただいてもよろしいでしょうか?」


、、ということで、

優柔不断な店長は私の強い圧力に押され、

結局17:00からの予定がお昼に早まりました。

自由の女神に向かう車中で私はイロイロと考えていました。

しかしこれ以上クヨクヨしていても仕方がないと思い、


とにかく今日は鬼クロージングしてやるぜ!


これが決まらなきゃ全て終わりだ!


と覚悟を決めました。

クロージングとは住宅業界の営業マンの場合


契約を成立させるためにお客様を詰めることを言います。


もちろん理不尽だったり非合理的なクロージングはいけません。

筋の通った正当なクロージングをしなければなりません。

やがて私は自由の女神の駐車場に到着しました。

最初で最後の契約クロージングへ突入

この会社に転職してきてからまともにクロージングをしたことはありません。

なぜなら高額な案件に携わってきていないからです。

たかだか水栓金具交換や障子の張替などのゴミ案件にクロージングもクソも無い訳です。

私は早速自由の女神の店内へと足を踏み入れました。

すぐに店長が顔を出しました。


<石原店長>
「ああ、トラジロウさん。。
わざわざすみません。
お店は夕方からなのでこちらの席に座ってください。」


と席に誘導されました。

すぐに私は本題を切り出しました。


<私、>
「本日、前回の打合せで詳細決定したとおり、
正式見積書や工事請負契約書などを作成しお持ち致しました。
ご予算が厳しいとおっしゃっていましたが。。」


<石原店長>
「ええ、、実は店の経営も厳しいところ半年前の雨漏りでかなりお金がかかってしまい。。
今回予算60万円くらいで考えておりましたのでもう少しお値引きして頂けないでしょうか?」


今回予定額の86万円で契約を交わしても今月合計契約金額は306万円なわけです。

今日の契約が仮に79万円になると今月合計299万円となり未達成になってしまいます。

私は強い口調で返答しました。


<私、>
「大変申し訳ありません。
今回私は店長さんの要望を全て網羅し必要最低限をコンセプトとして改修工事のプランを立てました。
さらに見積金額も弊社規定粗利ギリギリで算出し、予備費もゼロでお出ししています。
もちろん今回の一連の出会いが優香さんのオジイさまから始り私自身大変思い入れの強いお客様ということも充分配慮しての提示です。
なのでこちらの金額からは一切値引きは出来ません。」


<石原店長>
「いや、、私も知り合いですとか、、
いろいろと相談したのですが、、
最初の提示金額には多少の予備費を見込んでいてそこは値引きしてもらえると言われました。
正直今回は他業者などに相見積もりをしていません。
このまま御社の提示金額まま契約してしまうのは納得がいきません。」




予想通りのイヤな展開になってしまいました。




う~ん。。誰かに入れ知恵されてんな!


けど、あと64000円値引きしたら今月未達成で全てが終わる。。


私は最期の賭けに出ました。


<私、>
「石原店長!
私は今まで全てのお客様と正直に、そして真実を追求して向き合って参りました。
特に今回は身内以上の大切な案件という認識で充分に配慮して参りました。
全て本音でぶっちゃけトーク致しますので少しだけ私の話しを聞いてください。」


私は全てを賭けて最終クロージングに臨みます!


次回>>第33話に続きます。

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