こんにちわ。トラジロウです!
前回>>第44話からの続きです。
明日中に松本邸の契約を締結しないと最悪な事態になってしまいます。
私はこの会社を退職して転職?、、
東京西営業所は事実上の閉鎖?、、
しかし松本息子様から、
「明日はオヤジが一日中病院で検査のため契約出来ない!」
と言われ八方塞がりになってしまいました。
どうしてよいか分からず戸惑う私。。
その時、、
背後から突然動き出した眠れる獅子!
「トラちゃん!俺に電話かわってもらえる?」
、と普段温厚でやさしい深野係長が鋭い表情で電話をかわるように迫ってきました。
深野係長は私と松本様の会話を真後ろにピッタリ張り付いて終始聞いていました。
なので全ての状況を把握しているはずです。
何か考えがあるんだろうか?
でも明日契約出来ないって確定しちゃってるし。。
私は戸惑いながらも言われるがままに深野係長に受話器を預けました。
<深野係長>
「お電話かわらせて頂きました!
ワタクシ、先日トラジロウと同行させて頂きました深野でございます。」
<松本息子>
「ああ、、深野さん。。
お世話になります。
トラジロウさんの上司の方ですよね?
先日はオヤジが突然救急車で運ばれてしまい申し訳ありませんでした。」
<深野係長>
「とんでもございません。
お父様に万が一のことがあったら、、
と心配しておりましたが大事に至らなかったと聞いてホッとしております。
松本様邸に関しては私もトラジロウと一緒にやらせて頂きます。
今までのお電話のやりとりを隣で一緒に聞いておりました。
実は今回の松本様邸は今月中契約を前提として稟議決裁を通した経緯がございます。」
<松本息子>
「お聞きしています。
なので明日契約完了しないと特別価格では無くなってしまうということですよね?
今までいろいろ我が家のリフォームのために尽力して頂いたこと、
大変感謝しています。
御社の事情も十分存じております。
ただ、、明日は完全にオヤジが動けないので、
来月契約だと厳しいのでしょうか?」
<深野係長>
「そこについてなのですが、、
一つ確認させてください。
明日契約出来ないことはわかりましたが、
来月中に松本様邸のリフォームをお任せ頂けることは確定でしょうか?」
最後の切り札?!深野係長の思惑とは
深野係長がテストクロージングを繰り出しました。
もう一度、松本様が弊社にリフォームを任せる意思が固いのか確認しているわけです。
しかし月末最終日の明日中に工事請負契約が締結出来ないと意味がありません。
そのため深野係長がなぜここまで粘るのかがよくわかりませんでした。
深野係長、、何か戦略があるんだろうか?
これでダメならマジで退職して転職活動だあ。。
もう深野係長にすべてを任せるしかありません。
<松本息子>
「私は今回5社見積り依頼をして客観的にそれぞれの会社さんを見てきました。
もちろん金額だけではなくて我が家のリフォーム工事に対する情熱や姿勢、、
説明の仕方など様々な要素を加味して慎重に検討しました。
その結果、契約者のオヤジも息子の私も、、
トラジロウさんに任せようと思ったんです。」
<深野係長>
「大変嬉しいお言葉ありがとうございます。
それでは弊社にリフォーム工事を任せて頂けることは間違いないということでよろしいですか?」
<松本息子>
「はい、オヤジも私もそのつもりでおります。
ただし明日の契約は絶対に無理です。」
<深野係長>
「承知いたしました。
我々もこれまで一生懸命頑張って参りまして滅多に通らない稟議決裁特別価格も承認させました。
にもかかわらず明日を逃しただけで通常価格の見積りを提示するなんて、、
大変心苦しい気持ちで一杯です。
そこで一つ私のお願いを聞いていただけますでしょうか?」
<松本息子>
「いやっ、、いいですけど、、
何か良い策があるんでしょうか?」
<深野係長>
「はい。私に考えがあります。
明日、お時間は何時でも構いませんが、、
松本息子様のご都合のよろしい時間に伺わせて頂き、
業者決定兼設計申込書
にお父様の代わりにサインして頂けないでしょうか?」
私は深野係長の話を横で聞いていてビックリしました。
業者決定兼設計申込書って何だ?!
契約完了ってことにはならないよな?
しかもお父様不在なのに息子がサインしていいの?
深野係長の言っていることが理解出来ず戸惑う私。。
しかしどうすることも出来ずただただ見守るだけの私。。
<松本息子>
「我々にとっても御社にとっても良い方向へ行くのであれば、、
出来る限り協力はしますけど。。
その業者決定兼設計申込書とは何でしょうか?」
<深野係長>
「ザックリと申しますと、、
業者決定兼設計申込書とは仮契約書のことを言います。
今回のような大型リフォーム工事だと見積りをするのに相当な労力がかかります。
しかし当然ながらお客様は相見積りを取られますので契約になるとは限りません。
さんざん労力を費やしたあげく計画自体が中止になることもございます。
リフォーム業者は見積り無料とうたってはいても実際には多大なコストがかかっているわけです。
なのでこのような大型案件を何件も調査提案して契約にならない場合、
会社はつぶれてしまいます。」
<松本息子>
「確かにおっしゃる通りだと思います。
今回のリフォーム見積りも業者によっては毎日通ってくるところもありました。
しかも細かい設計図やプレゼンボードなど毎回持ってきてくれたり、、
これで無料だなんて本当に気が引けてしまうほどです。。」
<深野係長>
「無料なのに毎日通ってきて沢山の図面やプレゼンなどしてくれる業者、、
というと表向きは優良業者のように思えるかもしれません。
しかし会社である以上、適切に利益を獲得出来なければ持続可能な経営は不可能です。
逆にそういった視点で見れば、
契約になるかわからないのに無駄に労力を注ぐ業者
がダメ業者だということがご理解いただけると思います。」
<松本息子>
「なるほど、、
業者さん側としても契約になる客とそうでない客を見極めなければならない。
だから労力のかかる大型案件の場合は早めに確約を取って契約前提の客に労力を注ぎたいということですね?」
<深野係長>
「その通りです。
なので業者決定兼設計申込書とは、
弊社で契約することを確約して頂く
ための誓約書です。
弊社にとって契約が確定しているお客様であれば安心して労力を注ぐことが出来ます。
精神誠意尽くしてもタダ働きにならない訳ですから。」
業者決定兼設計申込書締結のための3つの条件
<松本息子>
「結論から言いますと、、
それを交わすことによって来月契約時に特別価格が約束されるのであればサインしてもよいと思います。
ただし私も世の中は一長一短だと認識しています。
これだけの寛大な措置を頂けるということは何か条件があるはずです。
その条件を教えてください。」
<深野係長>
「さすがは松本様です。
もちろん明日お会いして一枚の紙にただサインをして頂ければよい訳ではございません。
業者決定兼設計申込書締結のためには3つの条件があります。」
<松本息子>
「そうですよね。
それはどんな条件なんですか?」
<深野係長>
「はい。その条件ですが
一つ目は、
現在お声がけしているリフォーム業者様は全てお断りして頂く。
二つ目は、
申込金として工事請負金額の5%をお振込み頂く。
三つめは、
一か月以内に工事請負契約締結をお約束頂く。
以上が3つの条件になります。
いかがでしょうか?」
<松本息子>
「う~ん。。なるほど、、
今の話しを聞くと業者決定兼設計申込書というのが実際の契約書とほぼ同等の効力を持つことが理解出来ます。
わかりました。前向きに考えます。
私は明日の夕方17:00以降であれば会社を早抜けして帰ってこれると思います。
なので18:00にお越しいただいてもよろしいでしょうか?」
<深野係長>
「承知致しました。
18:00ですね?
それでは必要書類等準備してトラジロウとお伺いいたします。」
<松本息子>
「ところで、、
ここで話の腰を折るのも少々申し訳ないのですが、、
契約金額の5%と軽くおっしゃいましたが2800万円に対してということですよね?
それであれば140万円のお金を明日工面しなければならないということですね?
正直そのお金を工面できるかが最大の壁です!」
最後に深野係長が粘ってはくれていますが、、
そもそも仮契約的な書類を強引に月内に交わすことで本来の工事請負契約と同等の扱いになるのでしょうか?
さらに、この仮契約的な書類でもしもOKになったとしても今日の明日で松本息子様が現金140万円を用意出来るのでしょうか?
あらゆる不安を抱えながら、、
次回>>第46話に続きます。
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